数あるソニー(SONY)ヘッドホンの中でも最高峰のモデル―WH1000XM4。
そのミッドナイトブルーを購入したので、実際の使い心地を本音でデメリットも含めてレビューしてみようと思います。

さりげなく“WH-1000XM4”って印字されています。
ただ、海外通販などで購入を検討されている方もいらっしゃると思うので、数少ないミッドナイトブルーの日本語口コミレビューの1つとして、ざっとこのページをお読みいただければ嬉しいです(ひょっとしたら日本でも発売される日が来るかもしれないですし…ひょっとしたらですけど)。
さて、ここで簡潔に総評を書いてしまうとこんな感じです。
第一印象評価:
あとから評価:
一言コメント: ネイビー家電増えてきて嬉しい(by ブルベ夏)
では、以下、もう少し詳しくメリット・デメリットを書いてみたいと思います。
詳しい性能・機能はソニー(SONY)公式サイトをご覧いただくのが一番正確で、ポイントもわかりやすいと思います。無意味にそれを繰り返して書いているだけのページもたくさんあったりします…。
ここでは「レビュー」ページとしての価値を重視して、自分にとってどのようなメリット・デメリットが感じられたかをまとめておこうと思います。
ソニーヘッドホン(WH1000XM4)のメリット
高音質ノイズキャンセリング―ソニーの醍醐味
まず挙げてみたいメリットは「ソニーのヘッドホンと言えば」な強み、ノイズキャンセリングです。
生活音、家電動作音、屋外の交通音など、人の声以外の雑音はほぼほぼ無になるレベルです。
裏を返せば人の声には課題アリということですが、この点については後ほどデメリットを扱うときに触れます。

ヘッドホン内側のマイクと、外側のマイク(金色の穴あき部分)で集めた音をなんかうまいこと処理してノイズを消すらしいです。
この1年間は、職場・学校・図書館などに実際に足を運ぶことが難しい社会状況でした(残念ながらまだまだしばらく続きそうですね…)。
いわゆる在宅ワーク・リモート授業が急速に普及し、自宅で作業をしなければならない状況に直面している方が多いと思います。例にもれず、私もその中のひとり。
コテージという名前をした事実上の馬小屋に、妻とふたりで住んでいる大学院生です。
そんな環境下、このWH1000XM4のノイズキャンセリングが非常にありがたい。
今まではウォークマン(NW-Aシリーズ)についているノイズキャンセリング対応イヤホンをつけていたのですが、やはりノイズ処理の次元が違います(ひょっとしたら耳を覆うか否かの物理的な違いもあるかも)。
あとは音質の面でも、今まで使っていたそのイヤホンよりも格段に良いです。それほど音質にこだわりがあるわけではないので、正直詳しいことはよくわかりませんが、音にカドがないみたいなイメージです。
立体縫製イヤーパッド―優しく包み込んでくれる
次はイヤーパッドについて。とにかく高級感のある感触です。
立体縫製のふかふかウレタンパッドが、安心感をあたえてくれます。

こんな感じ。

ヘッドバンドもふかふか。
ミスドのハニーディップを耳に押し当てている感じと言えば伝わるでしょうか。
聞くところによると、ANAのファーストクラスにも使われているらしく、つけ心地の良さは折り紙付きです。
ビジネスクラスにすら乗ったことのない私ですが、どうやら耳だけは優先搭乗したようです。追いかけます。
もしかしたらもしかしての話ですが、実はさきほどのデジタル処理のノイズキャンセリング機能よりも、ひょっとするとこの抜群のフィットによる遮音性という物理的な利点のほうが、ノイズ除去と音質確保に大きく貢献しているのかもしれません。
耳から外すと一時停止―地味にありがたい
そして地味ながらも個人的に一番感動しているのが、自動一時停止・再生機能です。
耳から外すと自動停止して、また耳につけると自動で再生を再開してくれます。
ひょっとしたら最近のヘッドホンはこの機能がついていて当たり前かもしれませんが、ヘッドホン初心者の私にとっては衝撃的な機能でした。
ちょこっとだけひとと話をするときとか、トイレ行くときとか、すこしだけ耳を休ませたいときとか、そんな感じでわずかな時間だけヘッドホンを外すときってあるじゃないですか??
そういうときに、いちいち音楽プレーヤーを触らなくて良くて、そしてもはや、ヘッドホン自体の一時停止操作すらしなくて良いんですよね。
この後のセクションで書くとおり、ヘッドホン自体の操作も直感的でカンタンなのですが、そのエネルギーすら使うことなく、自動でこっちに合わせてくれるわけです。
外している間に音楽がどんどん流れていって「あれ、いきなりこれ何の曲流れてんの?」みたいになることもないし、耳から外したことで再生中の音楽が外に漏れ出てしまう心配もありません(再生自体が停止するので)。便利。
直感的な音量調節・曲送り・停止―片手でカンタン
さて、今度は手動で行う再生処理のほう。これがもうめちゃくちゃ直感的でストレスフリーな操作性です。
右側のパッドを触るだけで、誤作動なく様々な操作を行うことができます。
簡単に紹介すると、右耳パッドの外側を上下になぞると音量調節・左右になぞると曲の頭出し・タップすると再生/停止。すっごくカンタン。

すごく見づらいですが、一応ちょろっとパッケージ裏にもそれが図示されています(イメージ図の真ん中)。
個人的に強調したいポイントは誤作動がないということです。
この手の直感操作って思わぬタイミングで反応して「いやいや、触ってないけどw」的な感じになったり、触っているのに反応しなくて「え、これなら回転寿司チェーンの注文用液晶のほうが賢いんだけどw」みたいなことにもなりがち。
一方、このWH1000Xm4はめちゃくちゃ正確で、意図した操作を間違いなく実行してくれます(あるいは意図していない操作を勝手に実行したりしません)。
ちなみに、ワイヤレス接続(ブルートゥース接続)も、最近の製品だけあってめちゃくちゃ簡単です。

2ステップで完了。
長時間バッテリー―安心して使える
バッテリー持ちが良いのも地味に効いてくるメリット。
1日平均4時間ぐらい使っていても、1週間ぐらいは充電なしで持ちます。
だいたい体感でそのぐらいだと思っていたら、ソニーによるバッテリー持続時間公表値もほんとうにそのぐらいでビックリ(ノイズキャンセリングONだと30時間・OFFだと38時間らしいです)。
特別なシチュエーションでないかぎり、このぐらいの電池持ちであれば十分です。

USB-Cですし、充電が終わればランプが消えてわかりやすいので、充電体験も問題なし。
急速充電にも対応しているので、突然のニーズにも応えてくれます。
私自身は実はまだこの急速充電そのものに頼ったことはないですが、この急速充電という切り札があることによる心理的な意味でのメリットは大いに享受しています。
純正キャリングケース―充電機器も収納可
以上はヘッドホンそれ自体に関するメリットでしたが、最後に同梱品のケースの良さについてもお伝えしておこうと思います。
ヘッドホン本体はもちろん、充電用のアダプタやコードも整理して入れることができるキャリングケースです。
さすがソニーのフラッグシップモデル。このあたりもニクい感じで、「よく練られているなぁ」と率直に思います。

細々したものも含めて…

こんな感じで収納できます。
しかも、小物収納のスペースもちゃっかり区切られていて、ごちゃつかないようになっています。

地味に神経質な性格の私にとってはすっごくありがたい仕様。
ちなみに、「ヘッドホン本体はこうやって入れてね」みたいな底紙も入っています。まぁぶっちゃけこの紙があると安っぽいので、ひとによっては抜き取っても良いかもしれません笑。

個人的には「そのままの状態で使う」という事実をなんとなく好むので、入れたまま。

なにげに裏側にはメッシュポケットも付いています(うっすいけど)。
もういっこ言っちゃえば、ちゃんと引っ掛ける用のバンド的な部分が付いているのもgood。
まあとにかく、ヘッドホンとちょこっとした周辺アイテムを完璧に収納できるという点で、この同梱キャリングケースはめちゃくちゃ素晴らしいです。
ソニーヘッドホン(WH1000XM4)のデメリット
ノイズキャンセリング―ノイズ完全遮断ではない
では、次に、個人的に感じたデメリットをいくつか指摘してきます。
1つ目はノイズキャンセリングの不完全さ。上で一番に出したメリットと一瞬矛盾するかのようですが、そうではないです。
ひとの声に対してはノイズキャンセリングが甘い印象です。
基本的な騒音・雑音はものすごく高い精度で消し去ってくれるのですが、近くでひとが会話していたりすると、その声がうっすらと入ってきてしまいます。YouTube動画やテレビなどから出る声についても同じです。
というわけで、深夜のような静寂を完全再現できるわけではないです。
もちろん、音楽を大きめの音量で再生すれば、ひとの声もかき消すことができます。ですので、音楽を楽しむためのノイズキャンセリングという意味では問題ないかもしれません。
しかしながら、勉強や仕事に集中するためにノイズキャンセリングを求めるというのであれば、話は変わってきます。当たり前ですが、音楽を大音量で流したら、今度はその音楽で集中力が削がれてしまいます。
この点で、リビングやカフェでも作業に完全集中できるというレベルだとは感じませんでした。
ところでみなさん、作業に集中できるBGMの何かオススメないでしょうか?
もし良かったら、このページのコメントフォームでもSNSでもどっちでも良いので、さらっと教えてくださればありがたいです(本ページの下の方にコメントフォームと私のSNSリンクを設置してあります)!!
なんかいつも音楽流していると、けっきょく集中力が半減するんですよね…。もし良いBGM用音楽を手に入れることができれば、それを大きめの音量で再生することで、このひとの声ノイキャン甘め問題に対応できます!
大きめイヤーパッド―メガネ時に不便
個人的に感じたデメリットの2点目は、メガネとの相性です。
イヤーパッドが大きいので、メガネの耳掛け部分が干渉します。
当然この問題は、今レビュー中のWH1000XM4に限らず、ヘッドホン一般に通じるものだと思います。そういう意味ではこれをデメリットとして挙げるのはフェアじゃない気がしますが、
実は、、、
この機種がメガネとの相性問題も克服しているかのような書き方のレビュー(口コミ)もちょこちょこあります。
ところが、個人的には、やはりこのWH1000XM4でもメガネとの干渉はちゃんと(?)感じます。

ちなみにイヤーパッドのサイズはこれぐらい。
上のメリットで書いたようにイヤーパッドの感触は、低反発で優しく、すごく良いです。そのため、メガネのフレームが肌に押し付けられることによって感じる痛みは、それほど大きくないです。
ただ、圧迫されていることには変わりがないので、メガネのかけ心地に“ゆとり”がなくなるのは事実です。
微妙な位置調整はしにくいですし、ヘッドホン着脱のたびにメガネがずれて小さなストレスが蓄積します。
ついでに、ここで全体のサイズ感がなんとなく掴めそうな写真をずらっと並べておきます。

本体

ケースの縦

ケースの横

ヘッドバンドの長さ
(伸ばしていない状態)

ヘッドバンドの長さ
(最大に伸ばした状態)
約40,000円―高価格
では最後、製品そのものの使い心地とは違いますが、値段が高いってことにも触れておきます(少なくとも、私を含む庶民の生活水準で考えた場合)。
一般的な金銭感覚で言えば、まったくもって気軽に買える値段ではありません笑。
ソニーストア公式だと税抜40,000円、アマゾンだと税込40,000円弱ぐらい。
しっかりとした理由が無いと、なかなか買うまで至らない価格ですね笑。
もともとソニー製品もミッドナイトブルー(ネイビー)の色も好きでして、最終的には、
- 「これを着けて集中力を高め、研究をより効率的に進める」という大義名分で自分を納得させた
- ブラックフライデーでセールになっていた
という2点をもって購入に踏み切りました。
所有欲も満たしてくれるので、個人的にはまったく後悔していないですが、
30,000~40,000円のヘッドホンというのは、なかなかの嗜好品だと思います。
ミッドナイトブルーならではのこと
ページを締めに入る前に、せっかくなのでミッドナイトブルーならではのポイントを2点ほど書いておこうと思います。
360 Reality Audio対応
まずは、ソニーが打ち出している次世代型の立体音響技術「360 Reality Audio」に正式対応していることです。
厳密に言うと、これはミッドナイトブルーだからではなく、アメリカ版のWH1000XM4だからです(つまりアメリカ版であればブラック・ホワイトでも対応しています)。ただ、現時点でミッドナイトブルーはアメリカ版にしか存在しないカラーリングなので、ここでさくっと触れておきます。
360 Real Audioの詳細はこちらのソニーのニュースリリースページに書いてありますが、まぁ簡単に言うと、
2019年から(なぜか)欧米を中心に提供開始された、立体音響の音楽が楽しめるというサービスです。
まもなく日本でも提供が始まると思いますが、どうやら日本版のWH1000XM4はこのサービスへの対応を仕様として明記していないようです。
ただ、こちらの日本版ソニー「360 Reality Audio」開発秘話ページみたいなところには、WH-1000XMが推奨ヘッドホンとして写真付きで紹介されています。きわめて謎です。おそらく技術的には対応しているものと思われますが、「まだ日本でのサービス本格始動とはいえない状況だから、スペックとして前面に押し出すのは控えておこう」的な感じかもしれません。
ミッドナイトブルー含めて、アメリカ版のWH1000XM4は対応済。

左下にプリントされている、緑色のくるっとしたマークと360…の文字がそのサービスロゴです。
実際に、例のソニーニュースリリースページから飛べる「360 Reality Audio紹介ページ」(英語のみ)に行き、お試し動画みたいなのを視聴してみると、たしかに立体でした(語彙力笑)。
なんか有料サービスっぽいので私自身は使っていないですが、ミッドナイトブルー(広くはアメリカ版)ならではの特徴の1つです。
あと、ついでにちょろっと指摘しておくと、なぜか箱に凹みやキズが付いているのもアメリカ版ならではです。

もちろん新品を購入しています笑。
まぁでも無事に届いただけマシかもしません。私は3ヶ月以上「いま全力で探してるからね!」ってUSPS(アメリカの郵便局)に言われて続けている郵便物があります。せめて自分が生きているうちに届くと良いです。
洗練された高級感
そして何より、ミッドナイトブルーはデザイン面でも特徴的。
白だと汚れが気になりそうだし、ちょっとかわいすぎるかなぁ。でも、かといって、黒は黒で重厚感がありすぎるかなぁ。
みたいなとき、ちょうど良い感じで高級感と垢抜け感を出してくれるのがこのミッドナイトブルー(というかネイビー?)。
個人的にもともと青系統の色が好きなので(そのうえパーソナルカラー診断でも「青系統が最も似合う」説を提唱されたことだし)、このカラーリングはめっちゃツボです。

ネイビー×ゴールドがVAIO勝色ともよく合います(これは光の当たり方で青くなり過ぎですが…笑)。

こっちの色の方が実物に近いです。
付属のキャリングケースもミッドナイトブルー×ゴールド。格調のある感じの見た目です。

最近はネイビー家電をよく見る気がします。流行りでしょうか。
こんなにも良い感じなのに、なぜアメリカ家電量販店Best Buy(ベストバイ)限定なのか謎すぎます。もしかしたら市場の大きいアメリカでミッドナイトブルーカラーの売れ行きを試しているのでしょうか。パンデミックの生産ラインへの影響も関係しているのかもしれません。
いずれにしても、経営を何も知らない素人ユーザーからすると、今の機種に追加カラーリングとして出てくるか、次の機種で始めからミッドナイトブルーが用意されれば良いのになぁと純粋に思います。
色の選択肢が豊富なソニーヘッドホンもあるだけに、余計に期待をしてしまいます。
まとめ
まとめるとこんな感じです。
高音質ノイズキャンセリング
立体縫製イヤーパッド
耳から外すと一時停止
直感的な音量調節・曲送り・停止
長時間バッテリー
純正キャリングケース
ノイズ完全遮断ではない
メガネ時に不便
高価格
第一印象評価
第一印象での評価は星3つ
ソニーの最高峰ヘッドホンとして、様々な点でレベルが高いです。上でメリットとして挙げたポイントは、あくまでも私自身が実感できている部分に限られていますから、ひとによってはさらに別のメリットを享受できる可能性が高いです(実際、ソニー公式の製品紹介ページにはものすごくたくさんの特長が掲載されています)。
音質にめちゃくちゃ厳しいわけではない私のような一般人であれば、ほぼほぼ全方位で満足度が高いです。
一方、ひとの声のノイズキャンセリングが甘めなのは、残された課題な気がします。製品の“ウリ”機能に関わるので、星を1つ減らします。また、メガネ問題と価格の面で、万人に勧められるわけではありませんので、もう一つ減点としてみました。
あとから評価
しばらく使ってみての評価は星4つ
基本的な部分は第一印象と変わっていません。ただ、やはり使うたび、操作がものすごく簡単なのと、音が良いのと、つけ心地が優しいのと、だいたいの雑音をカットしてくれるのと、デザインにうきうきするのと、所有欲が満たされる感覚が得られるのと…そんな諸々で圧倒的なクオリティを実感します。
総合的に、買った直後よりも満足度が高くなっているので、星を1つ追加しておきます。
ソニーヘッドホン(WH1000XM4)は誰におすすめ?
“わざわざ” QOLを上げるのが好きな方
なんというか、完成度・価格・生活における必要性を考えてみると、もはや「業界最高レベルのノイズキャンセリングを体感したい方」とかそういう表面的な話ではないですね、きっと。
必ずしも「無いと困る」とは言えない物事に対して、あえて自分からそれなりのコストを払ってでも暮らしを豊かにしたい
そんな思いを持たれている方に、個人的にはオススメしたい製品です。また、ミッドナイトブルーモデルについて言えば、「あえてスタバじゃなくてピーツコーヒー飲んじゃうだよね、自分」みたいな方にオススメ(いろんな意味で)。
以上です。
簡単な感想や質問、リクエストなどを頂けるだけでもとても嬉しいので、もし良かったらコメントフームやSNSを通じてお声がけください!
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