ここ数年、キャンプやグランピングが急激に人気度を上げてきました。
それに後押しされて、少し前に「ニトスキ」で話題となったスキレットがふたたび注目を集めています。
キャンプ・グランピングが人気になってきた背景には、
- 都会 → 田舎
- 人工 → 自然
- 集団 → 個人
- 効率 → 充実
- 消費 → 持続
- 仮想 → 現実 (→ そのうえで改めてSNS)
みたいな社会全体の価値観見直しブームがあるといえそうですし、名作『ゆるキャン』も一役買ったかもしれません(まぁいま適当に思いついたことを並べただけなので、実際のところはもっと複雑な要因がいろいろとあるはずです笑)。
そんなキャンプ・グランピング人気の中、そういった場面に役立つ調理器具としてスキレットが重宝されています。
ところが、みんながみんな、そんなにアウトドア派であるというわけでももなければ、意識高く人生を送っているわけでもありません。
そこでこのページでは、
どちらかというとインドア派で「キャンプはできれば行きたくないなぁ」「わざわざ自然に癒やされに出かけるほどには追い込まれてないなぁ」的な、ゆとり全開な人間の目線から、ロッジ(LODGE)のキャストアイアンスキレットを本音でレビューしてみようと思います。
いまのところ我が家では、家での使用のみです。
※「いやいや、コテージで使ってたじゃん」と思われた方、いつもブログを読んでくださり、もしくはSNSで興味を持ってくださり、ありがとうございます。でもご存知のとおり、まぁなんというかそのコテージはこう、お出かけしにいったコテージではないので、家での使用のみです。
さて、ここで総評を先取りしておくと、こんな感じです。
第一印象評価:
あとから評価:
一言コメント: 長野県って良いところだなぁ。
では、以下、個人的に感じているこのロッジスキレットのメリット・デメリットを、もうすこし詳しく書いてみたいと思います。
ちなみに私が持っているのは8インチのものです。
ロッジ(LODGE)スキレットのメリット
フライパンにはない魅力
スキレットを買うかどうかを決めるうえで、避けては通れない難問があります。
私自身もそうでしたが、
フライパンじゃだめなの??わざわざスキレットを買う必要ある??
という素朴ながらも、ゲキムズな疑問がまずわいてきます。
いまのところ個人的には「フライパンとは別にスキレットは必要」だと感じています。ただ、フライパンで事足りるひともいると思うので、誰にでもすすめられるかと言われるとそうじゃないですね笑。
5年前ぐらいに「ニトスキ」が流行ったころからひそかに憧れを持ち、やっとこ半年前ぐらいにスキレットを手に入れたので、まったくスキレット専門化ではないですし、また8インチを一本持っているだけですが、、、
一応、フライパンとは別にスキレットもあると便利だなーと感じる理由をぱぱっと書き並べてみたいと思います。
- そのまま食卓に出せる(フライパンだと不格好)
- アヒージョにちょうど良い大きさ(フライパンだと大きすぎる)
- 保温能力が高い(フライパンだと冷めがち)
- こだわり感が出て良い気分になれる(フライパンだとありきたり)
- 洗うのがラク(フライパンだと気をつかう)
- 寿命がないほど長持ち(フライパンは寿命がある)
とりあえずこれぐらいかなー。また何か新たに思いついたことがあれば書き足しますが、ひとまず今ここに挙げたポイントを一つずつご紹介しようと思います。
あと一応断っておくと、フライパンは24cmとか27cmとかで、機能やデザインもいわゆる「普通」のものを持っていると仮定して進めます。つまり、「フライパンにはこだわりがあって、用途ごとに何種類かを使い分けてます!」という方は、おそらくこのセクションすっとばしで大丈夫です!!
1. そのまま食卓に出せる(フライパンだと不格好)
単純に、スキレットだとフライパンよりも映えます(たぶんそのはず)。
SNSに興味の無い方であっても「フライパンをそのまま食卓に出すのってちょっと後ろめたいなぁ、でもわざわざお皿にもるのも面倒くさいなぁ」って気持ちをお持ちだったりする場合は、意外とスキレットが役立つという場面があるかもしれません。
なんとなくスキレットの方が見栄えが良い感じ???
「わざとスキレットのまま出してるんですよ」という雰囲気が醸し出されます。あとは、取っ手が短めな分、テーブルに置いた時の邪魔くささが軽減されています。
ただ、取っ手までめちゃくちゃ熱いですし、しかも長い間めっちゃ熱いので、そこは危ないといえば危ないです。あとでご紹介する高い保温性の裏返しでもあります。
2. アヒージョにちょうど良い大きさ(フライパンだと大きすぎる)
フライパンだと大きすぎるとき、スキレットがそのサイズ的な歯がゆさを補ってくれます。
我が家ではフライパンは27cmサイズを使っています。
アヒージョ大好きな私が、週末に「金曜日きた!!!アヒージョと炭酸で宴だー!!」となったときに、そのフライパンはさすがにアヒージョには大きすぎます。ここで8インチ(20cmぐらい)スキレットがわりと良い感じです。
こんな感じで仕上がります。
もしかしたらもっと小さいものでも良いかもしれませんが、ポイントとしては、ちょこっとした一品を担当させるのにスキレットはぴったりだということです。
3. 保温能力が高い(フライパンだと冷めがち)
それなら、大きめのフライパンと小さめのフライパンを持っていれば良いという考え方もアリだとは思います。
ただ、私の中では先ほど触れた見栄えの点とか、今から紹介する保温のすごさその他もろもろを体感して、「小さい方はあえてフライパンではなくスキレットを使うのが好きだなー」ってところに落ち着いています。
一般にスキレットの方がフライパンよりも保温性が高いです。
アヒージョとか小さめ一品のためにわざわざお皿を用意したくないことはもちろん、小さめの一品を再加熱するためにもう一回フライパンを使うことまではしたくない。
そんなふうに思ってしまう私にとっては、保温性の高さは実はかなり強力なメリットです。
ちなみにオーブンもいけるので、グラタンとかドリアもいけます。そのへんはけっこう再加熱したくない系の料理だと思うので、保温してくれるとありがたいです。
4. こだわり感が出て良い気分になれる(フライパンだとありきたり)
これは見栄えのこととも関わってきますが、なんか「自分こだわってるなー」感を味わうことができます。
「またふざけたこと言ってるねー笑」と思われてしまうかもしれないですが、、、、
使って良い気分になれるというのは、生活の満足度を直接上げてくれるという意味で、けっこうとってもすごくなかなか重要だと思います。
あとでデメリットとして挙げますが、たしかに、スキレットの扱いには面倒なところがあります。たとえば、シーズニング(油で鉄を慣らす的な作業)の必要性や重さが厄介です。
ですが、そんなふうに丁寧にモノを扱うという生き方自体に価値を見出せるという方もいらっしゃるでしょう。
さらには、使い捨てではなく一生モノを使っているという事実や、それを通して環境問題・社会問題に自分も貢献できているという思い(このあたりは後ほど書きます!)で、充実感を得ることができる場合だって当然あります。
私自身はべつにそういった思考でスキレットに魅力を感じているわけではないですが、これまで慣れ親しんできた安心のフライパンに加えて、ちょっと冒険した感じのスキレットを持つ楽しみは感じられています。
「あえて」「わざわざ」みたいなところに心をくすぐられますね笑。
5. 洗うのがラク(フライパンだと気をつかう)
意外に思われるかもしれないですが、スキレットは洗いやすいです。
フライパンのように連結部分(パーツのつなぎめ)が無いので、「洗いにくい部分にシミがついてそのまんま…」みたいなことが起こりません。
一体型です。
しかも!!!
そこまで深く考えずにタワシでゴシゴシ洗って良いとのこと。最初これを聞いた時はウソかと思いました笑。でも、わりと本当です。
我が家では基本タワシを使っていないのでスポンジですが、スポンジの固い方(ザラザラしてる方?)でゴシゴシ洗っています。フライパンのテフロン加工のような仕組みがないので、気兼ねなく洗うことができます。
洗ったあとにシーズニングが必要になるのは手間ですが、「テフロンはがさないように気をつけて優しく洗わなきゃ」みたいな気持ちでフライパンを洗っている私にとっては、実はフライパンよりもスキレットの方が扱いがラクだったりします。
6. 寿命がないほど長持ち(フライパンは寿命がある)
寿命が無いというのもスキレットの強みです。
ほんとですか???って感じですが、ロッジ(LODGE)の公式サイトで以下のように断言されています笑(「よくあるご質問」ページの質問5です)。
というわけなので、「そろそろ買い替えかなー。いやでもやっぱ、まだもうちょっとかなー。んー、でもやっぱりそろそろかなー」的な買い替え時期の面倒なストレスが無いですし、「愛着のあるものを大事に長く使う」という最近特に重要視されている価値観にもぴったりです。
使い込むほど味が出てくる系のアイテムですね。
老舗ロッジ(LODGE)のクオリティ
さて、ここまでは、どちらかというとロッジのスキレットというよりも、スキレットそれ自体に近い話を長々としちゃいました。
ここからは「ロッジ(LODGE)のスキレットならでは」といえそうな部分に注目してみます。
1. 料理の味を安定させてくれる厚み
ロッジ公式サイトの「美味しさの秘密」ページによると、ロッジの鋳鉄(キャストアイアン、あるいはキャストアイロン)は「5ミリという肉厚な作り」のようです。
これが高い保温性を確保してくれるうえ、さらに高い熱伝導率によって加熱のムラも軽減してくれるとのこと。
調理中から調理後まで含めて、料理の味を安定させてくれるということです。
私は持っていないのですが、同じ公式サイトのページによると、蓋も工夫されているようですね。重みと突起で旨味を逃さない構造になっているらしいです。そこそこのお値段なので、タイミングを見て我が家でもゲットしたいです。ストウブのココットも同じような構造を使っています。
2. 120年の由緒
ロッジ(LODGE)は120年の歴史を持っています。
まぁ日本の歴史スケールからすると短く感じちゃうかもしれないですが、比較的新しい国であるアメリカのメーカーということを考えると、120年はそこそこ歴史があるといえるのではないでしょうか。
ロッジ日本版公式サイトではあまり大々的に言われていないですが、本家アメリカ版公式サイトでは、
ロッジキャストアイアンはアメリカで最も古く、そしてアメリカで最も長く続いているキャストアイアンメーカーです。
アメリカ版ロッジ(ロッジ)公式サイトの“HOW IT’S MADE”ページ
と、それはもう、どデカく書いてあります。
老舗の安心感というか、信頼感というか、安定感というか、そんな感じの強みがロッジにはあります。
ドヤ顔LODGE
ちなみに日本版よりもアメリカ版公式サイトの方が、圧倒的に出来が良いです笑。なんかカラクリ屋敷みたいにいろいろ動くし、動画とか写真とか図とかたっぷりあるし。文字をまったく読まずに眺めるだけでも面白いです。
3. 環境問題・社会問題への取り組み
ロッジは老舗企業ながら、かなり現代的な問題意識もしっかりと持っています。むしろ、比較的早い段階から環境問題に取り組んでいたようです。
公式サイトの「創業120年の歴史」ページ(日本版)によれば、1970年代には大気・水質汚染への影響を低くするために新しい設備を導入し(まぁ法律で基準が定められたからというのはありますが)、1991年には「有害廃棄物大量生産企業から少量生産企業へ」という大転換をしたとのこと。
社会貢献にも力を入れていて(ちゃんとサイトでアピールをしていて?)、これまでに100万ドル以上(1億円以上)を南ピッツバーグのコミュニティに寄付しているそうです(英語版公式サイト“SOCIAL RESPONSIBILITY”ページ)。
なにかを購入する際、企業にこういった取り組みがあるかどうかを一つの基準にしている方にとっては、これは大事なポイントになるかもしれません。
直火・IH・オーブン対応
さまざまな熱源に対応しているのもロッジスキレットのメリットのひとつです。
とくにIHにもしっかり対応してくれているのはありがたいですね。
まぁスキレットをレンチンしようと思いたつことはないかもしれませんが、電子レンジはNGなので注意です。
豊富なスキレット料理・レシピ
これはロッジのキャストアイアンスキレットに限った話ではないですが、スキレット料理・スキレットレシピの数は想像以上に豊富でめっちゃびっくりします(すくなくとも私が想像していたよりも遥かに多いです)。
このページのはじめにチラッと書いたとおり、スキレット人気のおかげで、多くのひとが積極的にスキレットレシピの公開をしてくれています。
ごはん系だけじゃなくて、スイーツ系も。ダッチベイビーとかレモンパイとか。
ロッジの公式サイトでもインドア・アウトドアともに色んなレシピが公開されているので、アイディアに尽きることはなさそうです。
ロッジ(LODGE)スキレットのデメリット
面倒な定期シーズニング
さて、ここからはデメリットを指摘しておこうと思います。
まずは、基本的な手入れ作業として定期的なシーズニングが必要だということを述べておきたいです。油をなじませる作業ですね。
ありがたいことに、ロッジは最初のシーズニングを施した上で商品販売してくれてるので、買った直後は洗ってすぐに使うことができます。
「シーズニング済だからすぐ使えるよー」とのこと。
ただ、使っていくうちにそのシーズニング効果が薄れていく(油が抜けていく)ので、そこからは自分でシーズニングをしないといけません。
もちろんこのシーズニングをしっかりやることと引き換えに気兼ねなくガシガシ洗えるわけですし、テフロン加工がなくてもこびりつきにくいわけですし、そして、寿命がないわけです。また、シーズニングそれ自体も、洗った後に加熱して水気を飛ばす→油をかるく塗るだけなので、複雑な作業ではありません。
それでも、フライパンであればやらなくて済むことなので、スキレットを使う際のデメリットと言えると思います。
ちなみにシーズニングのやり方は、公式サイトにて、かわいらしいイラストとともにものすごくわかりやすく説明されています。
重さと熱さ
これもまた高い保温性や熱伝導率という「メリットと裏返し」なデメリットですが、重いし熱いです。
ロッジのスキレットは特に肉厚なぶん、いっそう重さと熱さが強く感じられるのだと想像します(ロッジ以外のを持っていないので)。
フライパンよりも明らかに取り扱いに注意が必要です。
私が持っているものは小さめなので、まぁ重いといってもたかが知れています。でも大きめのスキレットを扱うとなると、なかなかしんどそう。
取っ手をさわるのにいちいちタオルとかミットが必要なのは、大きさ問わず同じ面倒です。また、小さいお子さんがいる家庭だと、食卓にそのまま出すのはちょっと危なさがあるかもしれないです。
割れたら嫌だなのストレス
洗い物という点ではちゃっかりフライパンよりもラクに感じられるのですが、今挙げた重さ、熱さといったそのほかの部分ではスキレットのほうが気を揉むといえます。
そのひとつに、割れないように配慮しないといけないということがあります。
急激な温度変化や落下などで、割れたり欠けたりするそうなので、通常の取り回し場面では地味にデリケートです。
常に細心の注意を払わないといけないわけではないですが、ある程度は気を使いながら扱わないといけません。このあと書きますが、ロッジスキレットはそれなりのお値段なので、プレッシャーもそれなりです笑。
高めの価格帯(蓋は別売り)
老舗メーカーで高い品質ということもあって、ロッジスキレットのお値段はお高めです。
私の持っている8インチ(20cmぐらい)のモデルはアマゾンで約3,000円。
ぶっちゃけ私は通販サイトの送料合わせに買ってみただけなのですが(セールになっていてわりと安かったので)、迷いなく買える価格かと言われると微妙ですね。
また、蓋は別売りなので、本体と蓋を両方揃えるとなると、けっこうな額になります。
大事に使えば一生使えるので、使い続けるのであれば一周回って下手なものを買うよりコスパは良いはずです。
ただ、ちょっとブームに乗っかって試してみたいぐらいの気持ちであれば、それこそニトスキとかの方が手を出しやすいとは思います。とはいえ、高級なものを使ったからこそ良さがわかったという場合もあるし…このへんは難しいですね。
まとめ
まとめるとこんな感じです。
フライパンにはない魅力
老舗ロッジ(LODGE)のクオリティ
直火・IH・オーブン対応
豊富なスキレット料理・レシピ
面倒な定期シーズニング
重さと熱さ
割れたら嫌だなのストレス
高めの価格帯(蓋は別売り)
第一印象評価
第一印象での評価は星2つ
正直、最初の頃はかなりネガティブなでした笑。フライパンにない魅力としては見栄えの点ぐらいしか気づいていなかったですし、特別にロッジ(LODGE)というブランドに惹かれていたわけでもありません。
むしろ、デメリットの方が目立ち、シーズニングの手間で1つ減点、重さとかの扱いにくさでさらに1つ減点、高い蓋も買わなきゃなーの思いでさらに1点減点。そんな感じでした。
あとから評価
しばらく使ってみての評価は星4つ
半年ほど使ってみてわかってきたのは、やはりフライパンでは手の届かないかゆいところをおさえてくれるというスキレットの良さです。
プチおしゃれな一品にちょうど良いサイズで、オーブンもOK(こじゃれたものってオーブンしがち)。そのままテーブルにサーブして保温も期待できる。さらに、洗い物の点ではガシガシ洗えるのがすごくラク。この調理と片付けの両方の点でそれぞれ優れた部分を実感できるようになったので、星を1つずつ、つまり2つ増やしておきました。
ロッジスキレットは誰におすすめ?
家でアヒージョよく食べる、もしくは食べたいって方
長野県出身で小中学生時には登山・キャンプを学校行事で経験したにもかかわらず(だからこそ?)、「山はもういいかなー」なインドア派の私でもロッジスキレットをそこそこ楽しめていることは確かです。
ですので、このページでは「アウトドアが好き/嫌い」とか「アウトドアの雰囲気を味わいたい/家でいるときはアウトドアじゃなくて良い」のような、ありきたりな線は引かないことにしましょう。
代わりに「アヒージョを家でよく食べるか/食べないか」を提案しておきます。
まぁ半分ふざけていますが、これはスキレットがアヒージョ調理にちょうど良い器具だということにとどまりません。アヒージョを頻繁に自宅で食べることには、いろんな意味での“ゆとり”と“こだわり”が象徴されていると受け取ってください笑。
以上です。
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