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ダイエット効果vs.農薬の発がん性。クエーカー(Quaker)オートミールとの向き合い方を冷静に考えてみた。

このページではダイエット効果などのメリットがもてはやされる一方、発がん可能性のある農薬が検出されたと指摘されたオートミールに関して、英語での情報も活用しながら私なりの向き合い方を探っていこうと思います。

クエーカー(Quaker)のオートミールを普段から食べている身なので、このページではクエーカーオートミールに主眼を置いて話を進めていきます。

クエーカーのオートミールピーチクリームのパッケージ

このおじさんのやつ。

オートミールをベタ褒めして広告収入を得ることを第一の目的とするページではなく、ほんの少しでもオートミールの効果についてもっと冷静に考えてもらうキッカケを提供できればなという思いで作ったページです(しがない大学院生の私にとっては収益があるに越したことはないので、しれっと広告自体は貼っちゃってますが…笑)。

なので「オートミール良いって聞いたから、誰かになんとなく買う後押ししてほしい」って方には、他のサイトの方が適切かもしれません。

目次

はじめに: オートミールって何?

最近はフィットネスが世界的にブームになっているような雰囲気があり、筋トレ・ダイエット・健康維持といった話題への関心が今まで以上に高まっているように感じます。

そんな中で市場をどんどん拡大させているのがオートミール

オートミールとは?

ご存知の方も多いかと思いますが、一応ちょっとだけ書いておくと、オートミールとはオーツ(燕麦; えんばく)と呼ばれる穀物をフレーク状に加工したシリアルの一種です。コーンフレークとかシリアルとかグラノーラとかとの関係については、以前すごく簡単に触れたことがあるので、もしご興味あればそちらをご覧ください(コーンフレークとは違う! トレジョのメープルピーカンシリアルの感想)。

高栄養価で低カロリーな食品として注目を集め、ボディビルダーやダイエッターの方々を中心に需要がぐんぐん伸びているようです。

しかしその一方で、2018年。アメリカのクエーカー(Quaker)社などの有名企業が販売するオートミールから発がん性が指摘される残留農薬が検出されたというショッキングなニュースが出ました。

その一大ニュース以来すでに2年ほど経過しています。健康に関わる重大問題ですし、クエーカーのオートミールはいまや日本でも広く出回っています。にもかかわらず、日本語ではその問題を深堀りしたページがほとんど見当たらないのが現状です。

しかもダイエット系の話になると、出どころもデータの信頼性もよくわからないようなうさんくさい情報を平気な顔で主張しているサイトがたくさん出てきて、もうカオスです笑

様々な大人の事情があるのかもしれませんが、近年ますます多くのひとびとがオートミールに興味を持っているわけなので、もうそろそろ放ったらかしでは済まされない気がします。

というわけで、なんか前置きでダラダラしちゃいましたが、本ページの趣旨は以下のとおりです。

現在アメリカの大学院留学中で日頃からクエーカーのオートミールに親しんでいる筆者が、英語サイトの情報も紹介しながら、自分の生活に直接かかわる大事な問題として、クエーカーオートミールとの向き合い方を真剣に、冷静に、批判的に考えてみる。

良い・悪いをスパッと決められる単純な問題ではないので、やや細かいことまで踏み込んで書いています。目次を使って適当に興味のある部分だけでも読んでいただけたら嬉しいです。

現時点での私の意見をここで先取りして示しておくと、こんな感じです。

自分自身は今後もインスタントオートミール含めてクエーカーの製品を食べる。子供には食べさせたくない。他の大人にはとくに勧めることも止めることもしない。もしあえて勧めるとすれば、クエーカーも含めてオーガニックのもの

もはや奥歯どころか、全ての歯に物が挟まったような微妙な意見です笑。ここに至った経緯がまぁごちゃごちゃあるので、それをこれからつらつらと書いていきます。

ちなみに、もっと楽しそうで平和的でポジティブな我が家のオートミール生活については、私のブログにちょこっとだけ載ってます→“オートミールをはじめてみた~アメリカのオートミールは種類が豊富~”(最近は動画編集とかに力を入れていて、ブログ更新する時間がないみたいです。なんかいつのまにかクリエイターになってました笑)

オートミールのダイエット効果

まずは、一般的にオートミールがダイエットにピッタリと言われているその理由を見て気分を高めます。やっぱり基本的には積極的にオートミールを暮らしの中に採り入れたいよねって方向の話。

いろんなサイトをあさった中で、わりと情報の出どころをちゃんと示してるなーって感じだったのが、こちらのページ(10 Benefits of Oatmeal You Probably Never Knew)。たぶん著作権とかの関係もあって論文へのリンクは貼られてないんですが、オートミールの効果についてどこの大学がこれ言ったとか、どこの研究所がこれを報告したとか出典を示そうという姿勢がちゃんとあるページでした。

それを参考にしつつ、他の方々もよく挙げているメリットをまとめてみると、こんな感じにキュッとできるはず。

オートミールの有名どころメリット
  • カロリーが低い→太りにくいね
  • ビタミン・ミネラル・鉄分が豊富→栄養満点だね
  • 食物繊維が豊富→コレステロールとか血糖値のコントロール・便秘解消に効果あるね
  • 腹持ち良い→太りにくいね
  • 調理が簡単→採り入れやすいね
  • グルテンフリー→身体を軽くしてくれるね
  • GIが低い→消化の負担が少ないね

とりあえず、栄養価が高くて、カロリーも低くて、しかも腹持ちも良い。そんなわけでオートミールはダイエットに最適という高い評判を得ているようです。

しかもですね、個人的な感想ですけど、けっこう美味しい。こういうスーパーフード的なものってまずいことが多いんですけど、オートミールはけっこう食べやすい。というか、もうどちらかと言うと美味しい。私もずっと食わず嫌いだったんですが、それこそクエーカーのオートミールを食べたら「え、ふつうに美味しいじゃん」で価値観変わりました。

クエーカーのオートミールピーチクリームの栄養成分表示

すっごいね、オートミール。

GIが低い(低GI)については、ちょっぴり長くなるので次のセクションで。

他には<ぜんそくに効果ある>って言うひともいましたが、あんまりそれは広く知られたメリットではないみたいです。

<オートミールを食べ始める時期が早いほど子供のぜんそく防止に効果がある>という説もあるようですが、まったくの無関係という研究も発表されていて、そのあたりを専攻していない私にはもう完全にお手上げ案件。

ちなみに、最近はウェブサイトだけじゃなくてSNSやYoutube界隈でもちょくちょく目立ちますが、本とか論文をたくさん読んだからといって専門家気取りになっちゃっているアマチュアは、まったくあてにならないと個人的には感じています。

自分なりの経験や他の資料との比較を通さず、他人の研究をただ単に横流ししているだけだったり、自分の主張に都合の良い資料しか出していなかったり。そんなケースが多いです。自分の広告収入やメディアでの露出を増やすことを優先しすぎていて、しゃべりが上手でも中身がひじょうに薄っぺらい印象。

大衆に関心を届けるという意味では立派な役割だと思いますが、その道の専門家でもないのに専門的な物事をバンバン断言しているひとの言葉は、聴く側としては鵜呑みにしないほうが安全な感じがします。そんなわけで食品科学とか栄養学とかの専門ではない私は、明らかな定説となっていないようなオートミールのメリットに関しては「よくわかんないです」と正直に置いておくしかありません。

とまぁネガティブなことを言っておきながらも、上に箇条書きしておいたメリットたちは今のところ認めて良いと思います。世界規模で企業も個人も大々的に言っている内容で、そこに対する学界からの強い反発や訂正申し入れも見当たらないからです。

というわけで、とりあえずのところはオートミールってなかなかダイエットとか健康に良い食品だよねって感じで私は考えています。調理簡単で味も悪くないし。めっちゃすごい。

でも「じゃあとりあえずオートミール買っとけば良いね」とはならないのが世の中の複雑なところ。低GIの話だったり、例の残留農薬ニュースだったり、一度立ち止まって考えておきたいポイントがあるので、この後のセクションでちょっぴり触れようと思います。

低GIではないオートミールもあってビックリな話

「オートミールは低GIで健康に良い食品」というのは、よく見る宣伝パターン。それに乗っかって私もルンルン気分でオートミール食べまくっていたんですが、今回いろいろ調べてたら実はそのオートミールが低GIじゃなかったと知ってビビリました笑。

まさに「他人の言うことをただ鵜呑みにして大事なことを見過ごした」パターン…。

八つ当たりで○田先生像。いろんな方面に無礼をはたらいている感じがしないわけでもないので、怒られたらすぐ消します。

それで、その”低GIの食品”が何を意味するのかというと食べたときの血糖値上昇が比較的ゆるやかになりやすい」ぐらいに私は理解しています。さっきの話ではないですが「血糖値を急激に上げない食品」とスパッと言い切ってしまうと、誤解を招く気がします。

GIについて細かいことまで知りたいという場合には大塚製薬がGIについて説明してくれているページがすごくおすすめです。図とかもあってめちゃくちゃ分かりやすいうえに、大手の製薬会社。しかも「低GI」の定義がシドニー大学によって提唱されたという歴史をしっかりと示してくれている数少ないサイト。この点でも信頼感があります。

一方、いちおう私が自分なりにまとめてみた薄っぺらいGIのお話は以下。

うすーく調べて、自分自身が理解しやすいようにテキトーに噛み砕いちゃってます。なので、他のひとからしたら意味不明かもですが、せっかくなので載っけるだけ載っけておきます。まずはそもそもGIが何かってところから。

GIとは?

食べ物ごとの血糖値の上がりやすさを数字で表したもの。0~100の値。炭水化物の量と種類を基に算出。1981年にカナダのトロント大学の研究者によって提唱された。GIってのはGlycemic Index(グライセミックインデックス; 血糖指数)の略。食べたときの実際の血糖値の上がり具合を示すわけではないことに注意。

つまり、GIが低いと血糖値の上昇がゆるやかになりやすく、身体への負担を軽減しやすいってことになります。

ただし注意なのは、これは食品そのものの戦闘力的な話だってこと。身体が実際にどう立ち向かうのかというのは別問題。こちらサイドの戦闘力によって身体への負荷が変わりますし、しかもその食品戦闘力(GI)自体も食べる順番や調理方法などによっても変化するらしいです。

例えが極端で間違えてるかもしれないですが、イメージだけで言えば、

いきなりラスボスと戦ったら絶対負けるけど、あとになって自分が強くなってから戦ったら勝てる。

最初の方ってライバルが有利なタイプのポケモン使ってきてなんかウザい。でも、ジム4つ目ぐらいになってくると、こっちのポケモンも色々揃ってきて段々チョロくなってくる。

みたいな???あくまで私のイメージです。

よって、GIが低いからといって、それがすぐさま健康的だということにはならないということになります。健康的な食事になりやすいけど、他の要因も大事ってことですね。

主な高GI・中GI ・低GI食品リスト

それでまぁシドニー大学はそのGIを基準に食品を3段階に分けました(大塚製薬大先生によると)。高・中・低の3つ。これが現在もっともよく使われているGIの枠組みです。ハーバード大学の医学部が公表してくれているデータを参考に、代表的な食品も含めて表にしてみます。2020年1月に更新されているので、最新情報と言えると思います。

GI分類GI範囲代表的な食品
高GI70~全粒小麦、全粒粉パン、コーンフレーク、インスタントオートミール、炊いた白米、玄米、お粥、生のスイカ、ゆでジャガ、ライスクラッカー
中GI56~69とうもろこしトルティーzヤ、白いスパゲッティ(なんすかこれ笑)、うどん、オートミール、玄米、生のパイナップル、ソフトドリンク(ソーダ)、ポップコーン、はちみつ
低GI~55チャパティ、全粒粉スパゲッティ(これは知ってる)、オートミール、生のりんご、生のオレンジ、ゆで人参、牛乳、ひよこ豆、レンズ豆

品種や製品によっての差はもちろんありますが、だいたいこんな感じに分類できます。

「え!え!え!ちょっとビビるんですが」みたいなのが、全部のGIカテゴリーにオートミール滑り込んでること。実際にハーバード大学が出している値だとインスタントオートミールは79±3、インスタントじゃないオートミールは55±2

それでですね、私が「あー、今の自分って意識高い生活だなー」って庭のリスを見ながら、それはもう悠々自適なノリで食べてたのが、実はインスタントオートミール。

ぜんぜん低GIじゃない、てかむしろ余裕で高GIなんですが。あの電子レンジでちょいっと温めてすぐ食べられるやつ。クエーカーの場合はパッケージに表示があるので、すぐ見分けがつきます。

クエーカーのオートミールピーナッツバターハニーのパッケージと中身

味の表記の上に“INSTANT OATMEAL”(インスタントオートミール)って書いてあります。

さっきも書いたとおり、GIが低いに越したことはないですが、別にGIが食品の健康度合いの全てではありません。この数字にこだわりすぎるのも窮屈な暮らしになっちゃって、むしろ良くない感じがします。とはいえ、多くのひとがウンチク的なノリで軽々しく言っている「オートミールは低GI食品だから健康的だ」っていう言葉には気をつけた方が良いということになります。

というわけで、

「オートミールは低GI」について注意したほうが良いこと
  • オートミールという名前がついていても低GIじゃない製品がある
  • そもそも低GIだから自動的に健康的だとするのはちょっと心がピュアすぎる

って感じです。

すっごくちなみにですが、例のハーバード大の資料によると、白米は73±4、玄米は68±4、小麦粉原料のパンは75±2、全粒小麦パンは74±2、うどんは55±7、白スパゲッティ(たぶん普通の小麦粉スパゲッティってことでしょう)は49±2、全粒粉スパゲッティは48±5、などなど。地味にスパゲッティすごい!

クエーカーオーツカンパニー (Quaker Oats Company)について

やっとクエーカー(Quaker)の話まで来ました笑。

オートミール食べてる方々にはきっとおなじみ。あのモナリザレベルに絶妙な笑みを浮かべたおじさんがトレードマークのオートミール会社です。アメリカ東部イリノイ州シカゴが本拠地。日本ではコストコ人気商品の一つみたいですね(一回しか行ったことない…)。

1901年に正式に今の会社として成立していますが、パッケージには”estd. 1877″(1877年設立)とあります。これは前身会社がこのおじさんを特許登録した年。なんか意外とこの会社の成り立ち複雑なので、詳しく知りたい方は同社公式サイトの「会社の歴史」的なページをご覧ください。英語ですが、写真と一緒に10年ごとの歴史がすごく簡単に書かれているので、とても見やすいです。やっぱ企業のページってすごいです。リスペクトです。

一番古くまで遡ると1850年にできたアメリカのシリアル製粉会社とカナダの製粉会社が起源らしく、まぁそこからいろいろで1901年に複数の会社が合併する形で今に至るらしい。

それで、例の1877年登録のおじさん。これは実在の人物ではなく、正直さと誠実さと高潔さと力強さを象徴する「クエーカーの身なり」をしている人物であるとクエーカー社が公式に言っています。断言はされていませんが、このイメージは明らかに「クエーカー」と呼ばれるキリスト教の一派に由来しています。

とはいえ、両者に社会的な関係とか宗教的な関係があるわけではなさそう。カメラのCanon/キャノンも元々は仏教の観音菩薩(カンノンボサツ)から名前をとっているらしいですし、文化の一部としての宗教要素ってのは別に珍しいことではないと思うので、とくに警戒する必要性は感じません。

クエーカーのオートミールオリジナルフレーバーのパッケージと中身

とりあえず、おじさん×4。

あとは、そこそこどうでも良いですし、どこまで信じてよいのかも謎ですが、ちょっと面白いことを言っているサイトを見つけたので、いちおうリンク貼っておきます(The untold truth of Quaker Oats)。

このサイトによると、実はクエーカーのおじさんロゴは何回も変更されていて、2007年にやっと今のおなじみのおじさんデザインに落ち着いたらしいです。あとは『チャーリーとチョコレート工場』のリメイク前(チャリチョコは2回目の映画化らしい、知らなかった!)の作品『夢のチョコレート工場』(1971年)に、クエーカー社が出資しているってこと。登場する「ウィリー・ウォンカ」チョコは元々クエーカー社の製品で、この映画で宣伝して世に売り込んでいくという作戦だったらしい。けど、まぁなんやかんやで1988年にネスレにウィリー・ウォンカ部門を売ったって歴史があるみたい。

まぁこのあたりの裏話は健康に直接的な関係があるわけでもないので、「へー」ぐらいで適当に。

オートミール残留農薬問題のあれこれ

いよいよ核心の残留農薬問題です。

はじめに誤解のないよう言っておきたいのは、この残留農薬問題はクエーカーだけでなく、ケロッグやゼネラルミルズといった他の大手シリアルメーカーにも同時に指摘されたということです。本ページではクエーカーに話題を絞っていますが、クエーカーだけが渦中の企業なのではないということはここで強調しておきたいと思います。

まだ定説が無くてメンドいなーって話

それでまぁ問題を簡単に言うと、

発がん“可能性”の指摘されている農薬成分グリホサートが、様々な会社のオートミール製品から検出された

というのが、その出来事の趣旨(事件だと一方的すぎる言い方かも?)です。

2018年8月のことで、比較的最近なことは最近。でも面倒なことに約2年経った今(2020年夏現在)もなお、その人体への影響については見解が一致していません。グリホサートが検出されたことは確実ですが、だからといってそのオートミール製品たちが身体に悪いとは言い切れないというところで止まっています。

机の上で日差しを浴びている水耕栽培のレモン

要するに「食べるかどうか自分で考えてね」のちゅうぶらりん状態です。

こうなったら自分で決断するしかないので、クエーカーオートミールをちょくちょく食べてるアメリカ在住大学院生として、わりと本気で情報を精査して自分なりの結論を出してみました。冒頭でも書いておきましたが、まわりまわって今のところたどり着いているのは、

自分自身は今後もインスタントオートミール含めてクエーカーの製品を食べる。子供には食べさせたくない。他の大人にはとくに勧めることも止めることもしない。もし強いて勧めるとすれば、クエーカーも含めてオーガニックのもの

という歯切れの悪いポジショニングです笑。あ、いちおう言っておくと私には子供いないんですが、もしいたらの話です。

では、問題の細かな分析の様子を下に。

残留農薬問題のはじまり

ことの発端は、2018年8月にNPO団体である「環境保全組合(で良いのかな?)」(Environmental Working Group; 通称EWG)が公開したレポート。こちらがその原文です(Breakfast With a Dose of Roundup?)。

合計61種類のオートミール製品(オーガニック16種類と非オーガニック45種類)を調査し、48種類(オーガニック5種類と非オーガニック43種類)からグリホサートと呼ばれる成分の検出を確認したとのこと。グリホサートには発がん性が“ささやかれている”ので、あまりにショッキング。早々と「あ、じゃあほとんど危ないんだ」と決めつけたくなりますが、次の3点に注意です。

EWGの発がん性物質検出レポートについて冷静に知っておいてほしいこと
  1. グリホサート検出製品の中でもEWGが定めている基準値を超えているのは61種類中31種類(すべて非オーガニック製品)だけ。
  2. そのEWG基準値はアメリカ国内で定められている基準の約190倍厳しい(EWG基準は先程のウェブサイトで、アメリカの基準はこの”Electronic Code of Federal Regulations“というサイトで確認できます)。
  3. クエーカーを始めとして各大手メーカーは「我が社の製品は国の基準値を明らかに満たしていて安全性に問題はないと考えています。今後も農薬を最小限にしていくよう働きかけていきます」的な声明で応答(主なものはこちらで読むことができます: Monsanto fallout: How Cheerios and Quaker Oats responded to glyphosate in cereal reports)。

もちろん農薬が検出されないに越したことはありません。国の基準が甘すぎるという見方もあります。

しかし、現代の農業や市場の状況を考えれば「オーガニックでない限りは一定の農薬検出は避けられないのが現実かなー」と思っています(オーガニック製品で微量検出されているのは、アメリカでは上空から農薬散布をしているケースがあるからです)。国の基準値の190倍というEWG基準値は、あまりに厳しすぎるという可能性があります。

事実、この残留農薬の発がん性や全体的な危険性については、必要以上に煽られる必要は無いのではないかと個人的には思っています

グリホサートはどれぐらい危険なのか

そもそも検出対象のグリホサートがどれほど危険かということ自体、まだ熱く議論が交わされている最中です。

たしかに発がん性が指摘されており、2015年3月にはWHOが定める「発がん性対象一覧」に見事にリストインしてきました。しかも、2019年にはアメリカで「グリホサート系農薬の長期使用が病を引き起こした」とする判決を裁判所が下しはじめています。

「わーお」な感じなんですが、ここでもまた一旦落ち着いて、それぞれの中身を簡単に見ておきます。

まず、WHOの定める発がん性リスク分類には4つのレベルがあります。その公式サイトの記述によれば、こんな感じで分けられます。

WHOの発がん性リスク分類
  • グループ1(発がん性あり)
  • グループ2A(たぶん発がん性あり)← グリホサートここ
  • グループ2B(ひょっとしたら発がん性あるかも)
  • グループ3(なんか言われてるけど発がん性なし)

問題のグリホサートが入るのはグループ2A。「たぶん発がん性あり」のグループなので、危なくないことはないんでしょうが、同じカテゴリーに分類されている他の項目を見ると、ちょっと拍子抜けです。例えばこんなものや環境が同じグループ2Aに分類されています。

グループ2Aの身近な例
  • 紫外線
  • 65度以上の熱い飲み物
  • 美容や理容の職業
  • 不規則なシフト勤務

わりと身近な感じ…。まぁイメージしやすいように、わざと日常に溶け込んでいるものを挙げたんですが、オートミールで確認されたグリホサートはこれらと同じレベルのカテゴリーに分類されています。何十年も日常的にさらされ続けて初めて身体に影響が出てくるのではないかと私は受け止めています。ただ、理系じゃない私は資料の読み方をミスってる場合があるので、その場合は訂正していただけるとほんとに有り難いです。

次に、アメリカでの裁判判決。

『ビジネス・インサイダー』というビジネス系ジャーナルが簡単に問題をまとめてくれているんですが、2018年と2019年(この年は少なくとも2件)、農薬販売会社モンサントに多額の賠償金支払いが命じられました。

同社販売のグリホサート系除草剤のラウンドアップ(Roundup)が原因で、がんやリンパ腫になってしまった

と訴えたひとびとに対しての賠償金です。ただ、これらのニュースに関しては以下の3つのポイントに注意。

ラウンドアップ絡みの裁判判決について冷静に知っておいてほしいこと
  • 2018年の判決では、モンサント社は製品が人体への悪影響を与える可能性をしっかり知らせなかったことに対しての責任で支払いを命じられた。製品とがんの因果関係には触れず。
  • 2019年の判決の1件目では、同社にはリンパ腫リスクをちゃんと知らせなかった落ち度があるとされ、2件目では同社製品の使用がリンパ腫の重大な要因となったと結論づけられた。
  • いずれのケースでも、症状を訴えたひとびとは残留農薬食品を食べたのではなく、土地の手入れや農業で日常的にその農薬を直接使っていた

この内容を見る限り、実際にその農薬を身体に直接浴びてしまうのはかなり危険な雰囲気があります。ですが、これらの判決ではその農薬成分が入った食品に関しては何も言っていません。というか、そもそも食品が問題になったわけではありません。農薬そのものがポイントになっていました。

ですので、グリホサートが残留基準値以下のオートミールたまに食べる程度であれば、今のところ決定的な害は無いのではないかと推測できます(あくまでも推測)。

でも、さすがに毎日食べ続ける方に勧められるかって言われたら、ぶっちゃけそれは嫌です笑。残留農薬が限りなくゼロに近いオーガニックオートミールであれば、まぁたぶん大丈夫だよねーって感じでしょうか。残留農薬ほんとに文字通りゼロってなると、まず農薬を空中散布する農家は全部外すことになるので、オートミールは選択肢がかなり限られてしまいそうです。

けっきょく私はどうしていくか

以上のゴタゴタした色んな話を総合的に考えた結果…

まぁ端的に言うと私自身はクエーカーのオートミールを今後も食べ続けようと思います。低GIじゃないインスタント版や、残留農薬も検出されちゃう非オーガニック製品も含めてです。理由を雑に書き並べると、こんな感じ。

それでも自分自身は食べちゃう理由
  • やっぱりインスタントで「ぽーん」って簡単に作れるのはラク
  • やっぱりお腹それなりに膨れる
  • やっぱり非オーガニックの方が安い
  • そういう食品のわりには栄養価的に優れている
  • せいぜい週に2回食べるぐらいの頻度
  • せいぜいアメリカで暮らす10年弱の期間ぐらいしか日常的に食べるつもりが無い
  • たまにはインスタントじゃないオートミールも食べる
  • たまにはオーガニックのオートミールも食べる
  • そもそもオートミールの低GI要素にこだわっていない
  • そもそもオートミールのダイエット効果で痩せようと思っていない
  • ふだん野菜は原則オーガニックしか食べていない(食生活の他の部分では残留農薬への露出を避けている)
  • クエーカーオートミール美味しい
  • クエーカーオートミールに検出されたグリホサート量はたしかに基準値より明らかに低い
  • クエーカーオートミールがほんとにヤバいなら、すでに何かしらの警告や報告が世界に出回っているはず

逆に言うと、もし私が、

この先の人生ずっと毎朝オートミールを食べる習慣で生きるつもりだったり、低GIやダイエット要素が理由でオートミールを食べようと思っていたり、予算がたっぷりあったり、残留農薬を徹底的に採らない生き方を目指していたりするのであれば、、、

もしくは、今後新しくグリホサートやインスタントオートミールに関する明らかにネガティブな証拠が出てきたとしたら、、、

その場合はオーガニックで、しかもインスタントではないオートミールだけを食べるという方針にすると思います。

ただ実際には、私は普段からそういう、なんというかクリーンなオートミールばかりを食べているわけではないです。

自分がふだんから利用していないものを強く勧めるのはなんだか無責任な感じがするので、ここではあえて「オーガニックオートミールという選択肢もあるよ」と触れておくぐらいにしておきます(読者の方々の判断に任せて広告はペタペタ貼っちゃっていますが笑)。

私自身はそれなりに食品の安全性に気を遣ってはいますが、ものすごく厳密に食生活を管理しているわけではありません。色んな方面で情報提供してくれているひとたちの話を参考にしながらも、最終的には自分で判断を下して、食べて、結果に責任を持つ意識で、健康に良いものも悪いものも摂取しているというのが現状です。

クエーカーのオートミールダイナソーエッグのパッケージと中身

この恐竜のやつなんて「え、スイーツ?」ってぐらい甘いんですけど、美味しいし、見た目かわいいし、卵から恐竜出てくるの楽しいし…やめられない笑。

けっきょく、「○○はダメ!ぜったい△△にした方が良い!」みたいなスパッとした結論にならなくて、私自身もなんだか歯がゆい感じです。

でも、少なくとも今まで明らかになっている事実と読者の方々に対して、正直に、誠実に、潔く、芯を通して、このページを書いてみたつもりです。あまり日本語では深く説明されていなかったり、うまく一つのテーマでまとめられていなかったりする情報を集めてとりあえずギュッとしてみたので、正解のありかではなく、考える材料やキッカケとして本ページを使っていただけたらと思います。

以上です。

長かった!!!笑笑笑

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このブログ書いてるひと

ゆとり世代の文系大学院生です。アメリカに学位留学している最中です。インスタやツイッターでは当ブログへのご質問やご感想を募集中です。ちょっとしたものでも新しいページ作成の励みになりますので、お気軽にコメントやリクエストいただければ嬉しいです!

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