“無重力という名のフレーム”というキャッチコピーで眼鏡市場が販売しているゼログラ(ZEROGRA)。
実際に2年以上使ってるので、どれほどの軽さ・便利さなのかを本音でレビューしておきます。

細かい事を言うとnendoコラボレーションモデル「カサネツートンタイプ(ZEG-N042 BR)」のレビューです。私はグラフィック関係にまったく詳しくないので知らなかったのですが、“nendo”というのは世界的に活躍しているデザインオフィスの名前だそうです。
総評をここで先取りすると、以下のとおりです。
第一印象評価:
あとから評価:
一言コメント:
重力の研究って紀元前4世紀のアリストテレスまで遡るらしい。
申し訳ない感じの評価を下してしまいましたが、正直さを最優先することがこのサイト全体の方針ですので、なんというか嘘偽りの無い個人的な評価として受け止めていただければありがたいです。


眼鏡市場ゼログラのメリット
こだわりの軽さ
ゼロ・グラビティ(zero gravity: 無重力)に由来するこのゼログラ。やはり最大のウリは軽さでしょう。
私の持っているモデルだと、たしかレンズ込みで12gです。ちょっとレンズの度数を忘れてしまったのですが、視力はコンタクトで言うと右-3.25、左-4.0ぐらい。

もはや度数の入っていないブルーライトカットメガネのジンズスクリーンよりも軽いです。ゼログラ12gに対して、ジンズスクリーンは18g。

ジンズスクリーンです。
ちなみにこのジンズのメガネも一応のレビューをしてありますので、ご興味おありでしたらそちらもご覧ください。

そして、もちろん普通の度入りメガネよりも軽いです。ちょっとレンズ大きめですが、私物の家用メガネを量ってみると19g。

これもジンズ。
このメガネとの比較だと、ゼログラは7gも軽いです。そして7gがどれぐらいかというと、みんな大好き焼きチョコベイク2個分ぐらい。

つまり、普通のメガネにそれほどの重さを感じていない方なら、それをゼログラに変えることで常にベイク2個を生活に追加することができます。

めちゃくちゃ細い耳掛け部分のアクセントにも良いかもしれません。

ともかく、こんな感じでゼログラは革命的に軽いです。実際にかけてみても、手に持ってみてもあきらかに実感できる軽さです。
そしてこの軽さの秘訣はその構造と素材ですね。

仮面ライダーみたい。
私の持っているカサネツートンタイプは、フレームがレンズの周りを一周しない形状。レンズを止めておくための透明(白?)のフチ枠は存在しますが、細くて重さはほぼ無いはずです。

レンズ周りの一部分にだけ、茶色いフレームが当てられています。
なんか、ぱっと見レンズがすぐ取れちゃいそうですが、案外カッチリ付いています。1年以上使っていますが、外れたことは一度も無いですし、グラつきもまったく感じません。
ちなみにですが、カサネツートンというモデル名は、おそらくレンズ付近の二重構造になっている部分にちなんでいるのだと思います。めちゃくちゃわかりにくいですが、たぶんそう。
さらに軽さを追求する手段として、メガネをたたむためのヒンジが省かれているという点も挙げることができます。ただ、これは後述しますとおり、もちろんデメリットに直結する要素でもあります。
素材について言えばフレームはβチタン製。βチタン。この響きからして、もう軽くて強い雰囲気があふれでています。見た目はめちゃくちゃ貧弱そうですが、かなりβチタン製であるおかげで弾性が高いので実は丈夫です。細マッチョ的なノリ。普通のメガネと並べてみると、その線の細さが一目瞭然です。

私物のジンズスクリーンとの比較です。
こんな感じで、できることは全てやった的な水準でゼログラは軽量化が図られています。
ただ、これも後に述べますが、いくら軽いといっても重さはあります。皮肉な言い方をすれば、当たり前ですがゼログラムではありません。軽さへの過度の期待は禁物です。
豊富なレンズの選択肢
実はこれはゼログラに限った話ではなく、眼鏡市場の商品全般に言えることではありますが、レンズの選択肢が豊富です。公式サイトによると追加料金なしオプション3種・追加料金オプション17種のようです。
公式サイトに載っている情報をここに転載してもあまり意味がないので、とくに個人的にありがたいオプションを挙げておくと、
- 無料で薄型レンズ化
- +3,300円でブルーライトカット機能追加
です。
中でも、このブルーライトカットオプションの方はけっこう強力。
ブルーライトカットだけでなく、防汚コート加工と紫外線カット機能も一緒に搭載されてくるので、レンズの質を劇的に上げることができます。ブルーライトカット率は眼鏡市場では数値化されていない気がしますが、2段階から選べます。私はカット率が低い代わりに、見た目がより自然に近い方を選びました。
パソコン使う時だけじゃなく外出する時にも使うことを想定して買ったので、あんまりレンズが黄色いと困るんですよね。くどかったらごめんなさいですが、ブルーライトカットレンズ黄色い問題については以前書いたジンズスクリーンのレビューで取り上げました。
豊富な選択肢はときに物事をややこしくしすぎてしまってデメリットにもなりますが、眼鏡市場の場合はメガネそのもののの料金体系もオプション料金も明瞭にまとめられています。選択肢の多さがダイレクトにメリットへとつながっている良い例だと思います。
鯖江製
ゼログラは日本製というだけでなく、なんとあのメガネの聖地である福井県鯖江市で職人が1本1本手作りしているらしいです。
いやぁ、こうゆうところに弱いんですよね。なんというかストーリーがある感じ。
私はVAIOが大好きなんですけど、その大きな理由の1つが「安曇野フィニッシュ」っていう部分。長野県安曇野市で作られていて、完璧な日本製。しかもいま私が使っているVAIOは、なんと職人が天板を藍染めしているモデル。当サイトの初めてのページはそのVAIOのレビューでした。

職人がひとつひとつ手作りするというこだわりのメイドインジャパンは世界最強
だと勝手に思っています。「そんなのは昔の話」「そんなの元から神話」「頭の中お花畑のおめでたい考えだ」みたいにおっしゃる方もいらっしゃるとは思います。
それでも実際に海外で生活していると(アメリカ大学院留学中です)、やはり日本製のモノは同価格帯の製品の中でケタ外れに質が良いことを痛感します。
眼鏡市場ゼログラのデメリット
それでもゼロではない重さ
普通のメガネと比べれば圧倒的に軽いゼログラですが、それでもとうぜん重さがゼロなわけではありません。けっきょく残された重さがあるの、長時間かけても鼻が痛くならないというわけではないです。
もちろん重さを文字通りにゼロにしろというのは、そもそもムリな話です。
ただ、「ゼログラ」という商品名や「無重力という名のフレーム」というキャッチコピーに象徴されているような、完全なストレスフリーのかけ心地ではないよということを、購入前にみなさんに知っておいてもらいたいです。
いくら軽くてもメガネである以上、適度に鼻や眼を休ませてあげながらかけるという使用方法に変わりはないです。
たためない形状
これもすでに簡単に触れていますが、このカサネツートンタイプのゼログラはたためません。
2020年7月現在はたためるモデル(「タタメルタフ」というシリーズ)も販売しているようです。私が購入した時には、たためるモデルにリコールがかかっていて、たためないモデルしかありませんでした…。この差ってけっこうでかいんですよね笑。
たためないので、普通のメガネケースに入れられないです。専用のものが必要になるのですが、それがまためんどいことになっているのです。こんな感じ。
ご覧のとおり、実質これケースではありません笑。
横から見たら向こう側が見えるスタイルで、完全にはメガネを守りきれない仕様。他のものと一緒にカバンに入れるとなると、ふつうに眼鏡にモノが当たります。

もう180度。
収納ケースというよりは、1枚の板を折り曲げたところにメガネを入れます。
メガネの縦包み~メガネ拭きを添えて~
みたいな一品です。あまりに使いにくいので、けっきょく購入の数週間後に眼鏡市場にふたたび足を運び「もっとちゃんとしたケースみたいなケースをください」って言って、500円ぐらい(だったかな?)でこんなケースを買いなおしました。

UFO感。

裏返すとこんな感じ。
かばんの中で目立つ色が良いのでピンクを選びましたが、他にグレーともう一色ぐらい選択肢があった気がします。中はこんな感じ。

たためないくせにメガネの方がやや大きいので、けっきょくフレームを曲げて押し込むみたいな収納方法になってしまいます。βチタン製で弾性は高いのですが、メガネに余計な負担がかかっている感じはしますね。

なんかイチイチ気を遣います。
レンズ部分は裸にしておくとファスナーと擦れるリスクが高まるので、メガネ拭きで防御します。

毎度こうやって、フレームを曲げながらメガネを入れ、メガネ拭きを被せ、…みたいにやるのはめちゃくちゃ面倒です。収納作業のいちいちにそれなりの神経と時間を使うハメになります。
しかもそのうえ、その苦労を乗り越えたとしてもこのケースかさばります。普通のメガネケースと比較するとこんな感じ。

家の中だけなら大した差ではないですが、外出時に持ち出すとなるとゼログラのケースはかなりの大きさを感じます。
高い価格
「もともとメガネはそんな安いものではない」という感じで識者たちは主張していますが、そうは言っても5,000~10,000円ぐらいでそれなりの使用に耐えるメガネが手に入るっていうのが最近の現実です。
そんな環境下で20,000~25,000円あたりに位置するゼログラの価格帯は、庶民には高めです。
学生の私にとってはぶっちゃけ激高です。私が購入したのはカサネツートンタイプにブルーライトカットレンズをつけたものだったので、トータルで30,000円ぐらいでした。たっかい笑。
ファストファッションのノリで買えるメガネではないですね。事実、眼鏡市場自身がその路線のキャッチコピーを出しています。おそらく安いメガネ屋と差別化するために、「ちゃんと選ぶなら」と謳っています。
手頃さよりもメガネの質を意識した戦略のようです。格安路線とは方向性が違うといえばそれまでですが、他社との相対的な関係では価格がデメリットであることに間違いはありません。
顔なじみの悪いデザイン
私が購入したゼログラは、世界規模で活躍をしているデザインオフィス”nendo”さん監修。なのにこんなことを言うのもなんですがかけてみるとダサいです。
いやメガネがダサいというよりも、かけると顔がダサくなるといった感じ。メガネ自体はシンプルかつスタイリッシュ。むしろ洗練されています。もはや個人的には好みと言えるデザインです。かっこいいです。

ですが、このカッコよさはメガネ単体での話。
実際にこれをかけてみると、めちゃくちゃダサくなります笑。
「いや、お前の顔がいけないんじゃね?」という批判が聞こえてきそうですが、私の顔が別にそれほどイケているわけではないという点を考慮しても、そもそも人間との顔のフィットがイマイチな感じ。どう言い表せば良いでしょうか、なんか胡散臭い印象になっちゃうんですよね。
そんなわけで、外出時にも使うという私の最初の目的はすぐに砕けました。けっきょく今となっては、
- 家の中
- コンタクトを着ける前、あるいは外した後
- パソコン作業をする時
という条件が揃ったときにだけゼログラを使っています。これに30,000円はなかなかの贅沢です笑。
まとめ
以上、眼鏡市場販売のゼログラを実際に使ってみての正直なレビューでした。
まとめるとこんな感じです。
こだわりの軽さ
豊富なレンズの選択肢
鯖江製
それでもゼロではない重さ
たためない形状
高い価格
顔なじみの悪いデザイン
第一印象評価
第一印象での評価は星2つ。
商品のコンセプトどおり、かなり軽いです。しかも線が細いのに丈夫。日本製のメリットである質実剛健さがよく出ていて、一度の購入で長い期間の安定した活躍を期待できます。レンズの種類もゆたかで選びやすい紹介がなされているので、自分の要望にあった仕様を混乱なく実現することができます。この総合的な製品完成度とユーザーファーストの販売方法は、近年急成長しているプチプラメガネショップとはかくじつに一線を画しています。
ただし、それに伴って価格はやや高め。私たちが低価格メガネに慣れきってしまった現状を考えると見過ごせない弱点ですので、星を1つ減らします。また、たためない形状は日常的に不便さを感じさせるので、もう1つ減点。そのほか問題視した微妙な重さとデザインについては、かなりつよく個人の主観が入っているので、合わせて1つ分の減点としました。
あとから評価
しばらく使ってみての評価は星1つ。
長らく使っていると、たためない不便さと重さが想像以上につらいです。もちろん勝手に期待しすぎていたのはこちらですが、けっきょく「ゼログラでなくていいや」って思う場面が何度もありました。そのため、心苦しいですがもう1つ星の数を減らしておきます。
眼鏡市場のゼログラは誰におすすめ?
試着してみて顔なじみに問題を感じなかった方
プチプラメガネに飽きた方
屋内用か屋外用かでも変わってきますが、実際に試着をしてみて顔なじみを確かめてみるのは大事だと思います。デザイン的にも重さ的にも。試着の際はレンズの重さが正確に乗っかってこないので、そこは想像力を働かせる感じで乗り切りましょう。なかなか高い買い物になるわけですし。
ただ、その意味では「そろそろプチプラメガネじゃないメガネに手を出そうかな」って方にはアリかも。ワンランク上、あるいはそれ以上の品質を経験させてくれます。個人的には、まぁ再びゼログラを買うことはないと思います。眼鏡市場自体はけっこー気に入ったので、ベーシックなものに手を出そうかと目論んでいるところです。
以上です。
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