留学のため数年前に渡米した私ですが、、、
今年2020年の7月は、改めて“Welcome to America”って誰かに言われている―そんな感じの月だった気がします。
そしてそれはきっと、
ある日の夜に、息もせず我が家の玄関にピタリと張り付いていた、あのオポッサムだったのでしょう。
というわけで、最近になって改めて経験したアメリカならではの出来事を、簡単に書き留めておこうかと思います。
夜に響く爆竹みたいな音
「改めてアメリカへようこそ」な出来事のトップバッターを飾ったのは、
来る日も来る日も、夜になると、やたらと外から聞こえてくる爆竹みたいな音。
実は先月6月あたりから始まっていたものでした。
それはちょうどBlack Lives Matterの社会運動が一気に全米で盛り上がり、暴徒化も問題視されていた時期。
結果的に私自身はまったく被害を受けなかったです。
ただ、近くのお店は建物のガラス部分を、徹底的に木の板でガード。強盗や窃盗被害に遭わないための防衛策ですね。
木の板が付けられていないお店の窓には、銃弾の跡が残っていたりしました。
そんな状況ですし、もう銃社会のアメリカにいるわけですから、妻と私はひょっとしたらひょっとして「毎晩どこかで銃が発砲されているのかな?」みたいに思っていたわけです。
謎が解けたのは今月7月の頭。
洗濯をするため、いつものように大家さんの家の中にある洗濯機へと向かいます。
(私たち夫婦が住んでいるのは、大家さんが持っている別棟の小さなコテージ。洗濯機は母屋にしかありません。洗濯事情については以前ピーツコーヒーのページにちょこっとだけ書いておきました笑)
そして偶然大家さんと顔を合わせたところ、向こうから、
「毎晩、花火が上がってるの聞こえてる?」
と聞かれたんです。
その瞬間に私は心の中で「あ、花火だったんかい」となんか拍子抜けしたわけですが、とりあえずそれを隠して、
「はい、聞こえてます、聞こえてます、ほんと毎晩ですよね~」
と何食わぬ顔で返しました。
すると大家さんは、
「これは7月4日がもうすぐだからなんだよ~」
と教えてくれたんですね。
ここでもまた、私の心の中には「え、7月4日って何?wあれ、独立記念日とかそんな感じだったっけ?あれ、でもフランスって7月に革命とかしてた気がするな。いや、待て、でもここはアメリカじゃん?あ、でもアメリカとフランスってなんか独立にすごく思い入れある感じで互いになにかやってるのかな?さすがにそれはないか…」みたいに0.5秒ぐらいの間にめちゃくちゃ色んな疑問がドバっと出てきて混乱したわけですが、
「あ~なるほど、どーりでね~」
と分かったような顔で返事をして、その場を去りました。
私は大家さんにとっての日本人代表なので、ここで無知をさらせば他の日本人の方にも悪いイメージを持たせてしまいます。「やむを得ない知ったかぶり」ということにしておいてもらいましょう。
で、
その後さっそく調べてみたら、
アメリカの独立記念日でしたね、7月4日。インデペンデンス・デイ(Independence Day)ってやつです。
まぁ学がないことを読者の方々にバラしてしまったことになりますが…
とにかく、アメリカではこの独立記念日(1776年のイギリスからの独立宣言を記念して)に向けて、ガンガン花火を打ち上げるらしく、それが聞こえてきてたというわけです。
毎年夏は一時帰国していたので、これは初の経験。ほんと改めてアメリカって感じでした。
銃声じゃなくて本当に良かったです笑。
ちなみに、アメリカではこの独立記念日に合わせて色んな店でセールが行われます。アメリカにお住まいの方はもちろん、日本在住でもアメリカからの海外通販をされる方はお得商品を狙ってみても良い時期かもしれません!もうすでにご存知のことかもしれないですけど!私は近くのスーパーでステーキ肉買いました 。
オポッサム氏にびびる
次は、オポッサムさんとの遭遇。
ある日の夜、大家さんの飼っているコーギーの「スーさん」がちょっと荒ぶった様子で、庭で吠えたり走ったりしていたんです。ふだんはまったく吠えないお利口さんワンちゃんなのに、です。
(本名はチャーリーですが、妻と私の間では「スーさん」で通っています。理由はまたいつか書きます笑。ちなみに大家さんはコーギーだと言っていましたが、本当にそうなのか怪しいぐらい大きくて黒いです笑)
それでまぁ、妻と私は
「なんかネズミでもいるんかな~。ちょっと見てみるか~」
ぐらいな感じで話していて、妻が玄関を開けると、、、
うわぁぁぁぁぁ!!!!!!!なんかいる!!!!!なんかいる!!!!玄関の前にデカいなんかがいる!!!!!
って大慌てで戻ってきたんです笑。
話を聞くと、まぁまぁ大きいサイズのネズミというか、タヌキというか、なんらかの獣っぽい輩が横たわっているらしいんですよね。
私はなかなかのビビリなので最初はちょっと渋っていたんですが、一応、自分でもドアの向こう側を見てみることに…。
そして玄関のドアを開けると、
…
…
…
…
え、うわっ…。
もう心がドン引きした音が聞こえてきそうなぐらいに、ドン引きしました笑。
ほんともう、すぐそこに、息を引き取った様子のダラッとしたネズミっぽい獣がw
私たちの住まいは玄関がちょっとだけ段差で上がっているのですが、その段差部分にピッタリ張り付いてるんですよ、なんかダラッとして…
最初は、スーさんが自分で仕留めた獲物を私たちに見せびらかしに持ってきたのかと思ったのですが、、、(なんか犬種によっては飼い主にプレゼント的な意味でそういうことをする場合もあると聞いたことがあって)
でもやっぱり、それにしてはさすがに大きすぎる。体長50cmぐらいはあるし、厚みというか立体感もちゃんとあって、さすがにあのでっぷりスーさんが仕留められるとは思えない獣。
で、グーグルで
「ネズミ でかい アメリカ カリフォルニア」
みたいに調べていると、
オポッサムという動物がヒット!しかも色んなページの見出しに「死んだふり」という言葉が!!!
ということで、ちょこちょこページを見て回っていると、どうやら
オポッサムはアメリカ西海岸に生息する有袋類(カンガルーとかの仲間)で、死んだふりをすることで有名
らしいんです。
その死んだふり演技はアカデミー賞クラスのハイレベルという評判で、英語では
“playing possum”(プレイング・ポッサム)
というフレーズで「死んだふりをする」という意味になるそうです。それぐらい有名。
実際に私たちの目の前に現れたオポッサムさんも、それはそれは本当に死んでいるとしか思えない様子でした。
数時間、脳が体に対して完全に死んだ状態を演出するよう命令するらしく、意識すら失っているらしいです。
その異次元の役者魂によって繰り出せられる演技は、あまりにリアルすぎて、
「いや、これ死んだふりじゃなくて、本当にお亡くなりで明日の朝もそこに倒れてたらどうする?」
と夫婦でビビりつつ一晩を過ごしたほど笑。
結果的には翌朝ドアを開けたら、きれいサッパリ!きっと夜中の間に、意識を取り戻し、あのちょっと尖った顔で
“Welcome to America”(ようこそ、アメリカへ)
と吐き捨てて去っていったのでしょう。
ネズミに似ていますが、ぜんぜん「おとぼけ」ではなくてかなり賢いらしく、しかもネズミとか害獣を食べてくれるって聞いてますので、まぁありがとうございます。サプライズウェルカムにもサンクス。
留学生ビザ問題でてんやわんや
あとは新型コロナウイルス流行に直面して、アメリカが国境をガチガチに固めまくっているなか、
全部の授業をオンラインで受講する留学生(つまり物理的に教室で授業を受けない学生)はアメリカから出ていってください
という、かなり攻めた政策が発表され、
まさかの一週間ぐらいで「やっぱ、その政策はヤメます」
という感じで即撤回されるというドタバタ劇がありました。
というのも、その政策が出た直後、アメリカのいわゆるトップスクール勢が猛反発したからです。
ハーバードとMIT(マサチューセッツ工科大学)が先陣を切り、次々の他の学校も続く形で政権を訴えました。
すごくないですか、この学校が国を訴えるスケール感とそのスピード感 。
さすが、アメリカ。
って感じです。
結果的に、その政策は違憲という判決になり、即撤回となりました。
私自身は「まぁ自分であたふたしても変わらないしな~」と楽観的に過ごしていたので、ぶっちゃけそれほどバタバタしませんでしたが…(張本人だろ!感はすごいですが笑)
もうこの期間は学校やら、学部やら、教授陣やら、大使館やら、知り合いやらから、おびただしい数のメール受信。
それが理由なのかわかりませんが、スマホのガラスフィルムに気泡が入ったので、張り替えました。
計画停電の無断キャンセルに呆れる大家さん
最後に、「え、どっちが本当の文化なの?」という話。
電力会社のPG&Eが「メンテナンスするから、この日に計画停電しますねー」っていう紙をくれました(大家さん経由で)。
もちろん冷蔵庫冷凍庫もダウンします。
なので、あらかじめ、
ジップロップコンテナに水を入れて、凍らせておく。そして、それを保冷剤代わりにする。
という家庭的な夫感を存分にかまして、準備万端で当日を迎えました。
ところが、当日は余裕すぎる一日。Wi-Fiも、部屋の電気も、冷蔵庫も、全部使えました。
サクッと気づかないぐらいの短時間で終えたのか、電気を止めない素晴らしい技術でメンテナンスを終えたのか。
よくわかりませんが、何事もなくその日は終了。
一応、2日後ぐらいに大家さんに聞いてみました。
「あれ、この前の計画停電って結局予定通り、電気止まったんですか~」
って聞くと、
「いや、結局来なかったよ」
という半分予想通りの返事。
まぁ正直、アメリカだし無断キャンセルとかも普通にあるよね
っていうのはありました。日本では考えられませんが、文化的にアメリカでは想定内と言えば想定内な気がします。
ただ、私が驚いたのは大家さんの呆れぐあい笑。
首を振りながら、あからさまなため息とともに、「いや、結局来なかったよ」がまさに“こぼれ出た”感じ。
え、いやいやww、えw、
どっちが本当のアメリカなん??????
やはり文化的・社会的な「傾向」はあるとしても、安易なステレオタイプで人を判断するのは浅はかだぞってことですね、当たり前のことをそれっぽく言うと。多様性ってやつです。
なんか「ダイバーシティ」ってカッコよく言われても、“diversity”じゃなくて楽しげなお台場が思い浮かぶの私だけじゃないはず。
はい、
というわけで、渡米してからしばらくになりますが、改めて新鮮な思いでアメリカを感じた2020年7月でした。
今度オポッサム氏に会うときには、もっと胸を張って成長をお見せしたいと思っています。
Explore America,
more & more!!!!
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ではまた!!
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