ご存知の方も多いかと思いますが、原則として、
中国ではGoogleもライン(LINE)も使えません!!
政府が規制しているからです。
日本人にとってこれは致命傷。道に迷ったとき、ご飯を調べたいとき、家族に連絡とりたいとき、困りますよね。
この記事では、中国のネット環境への対応策を3点ご紹介します。2019年8月に私と妻が中国旅行に訪れた際には3つの方法すべて有効確認済みです。しかしながら、その後、中国と香港との関係はどんどん悪化しています。本来であれば香港SIM利用を最もオススメしたいところですが、情勢によっては急にこの方法が通用しなくなることがあり得ることにはご注意いただきたいです。他の方々のツイートなどから情報を集めた限りではありますが、ひとまず2020年7月現在ではまだ香港SIMは有効なようです。
方法1: 諦める
シンプルに。私がこの方法をとることはないですが、一つの選択肢としてはありかもしれません。
方法2と方法3が有料なのに対して、この方法1は無料なのがメリット。
こんな格言がありますね。
郷に入ったら郷にしたがえ。
短い旅行だったら乗り切れるかも。「旅行はそういうもの」と割り切っている方もこれでok。自分を探しに中国に行ってみるという方も、へたに日本とつながるよりこの方が良いかもしれません。
でも、ちょっとだけ妥協したいって方にはもっと良い方法があります。中国でも使える検索エンジン、そしてラインに似たメッセージアプリを使いましょう。これが次に紹介する方法2です。
検索エンジン―百度・Bing―
中国滞在時には、百度とBingが主な検索エンジンとなるでしょう。どちらかと言うとBingの方が日本人にはオススメ。
でもとりあえず、中国検索エンジンの筆頭である百度(Baidu)。
中国の人々はめちゃくちゃこの百度を使ってますが、日本語で情報を得たい場合はオススメできません。
実際に私も中国で使ってみたのですが、日本語で検索しても日本語のウェブサイトは少なく、中国語のものばかり。「ただ検索エンジンが違うだけで、結局Googleで調べた時と同じものが出てくるんでしょ」と思っていると、厳しい現実を見ます。試しに英語でも検索してみましたが、あまり欲しい情報が見つかりませんでした。
中国語ができる方でないと、ほとんど役に立つ情報が手に入らないと思います。
こちらのBingの方が日本語サイトが充実していた印象です。
とはいえ、BingといえどもGoogleに比べるとその情報量は見劣りする感じ。こちらも中国で使いましたが、物足りなさを感じました。
「中国語の訳語が知りたい」「大きな世界的ニュースを知りたい」というぐらいなら百度でもBingでも問題ないです。
「おいしいご飯を調べたい」「中国旅行した人のブログを読みたい」などの細かい情報を日本語で狙うなら、これから紹介する残りの2つの方法でGoogleを使うべきだと思います。
検索エンジンを変える方法(Android・iOS両方)
「じゃあ無料だし、百度とかBingで我慢しとっか」って方。
普段使っている検索アプリが、
Google ChromeとかSafariだったら要注意!
デフォルト設定の場合、検索エンジンはGoogleです。そのため、検索窓に「百度」や「Bing」と入力して検索エンジンを切り替えるという手段を使うことはできません。Google自体が規制されているからです。Google Chromeはもちろん、SafariもGoogle検索が初期設定になっています。
その場合は以下の方法で切り替えましょう。
「Googleクローム」を開く
→ 右上の縦に点が3つ並んだボタン
→「設定」
→「検索エンジン」
ここで「Bing」に設定してもう一度ブラウザアプリを開きなおすと、Googleを経由せずにBingが直接開かれ、ネット検索ができるようになります。
「設定」
→「Safari」
→「検索エンジン」
ここで「Bing」を設定すると、Safariが使えるようになります。
恥ずかしながら、私たち夫婦は2019年夏に上海に旅行した際、このデフォルト検索エンジンの変更方法を知らず、、、すごく長い時間苦しみました笑。いちおう旅行記も5編にわたって記してありますので、ご興味とお時間があれば合わせてご覧ください。
そして、もはや手も足も出ないのかと諦めていたその時です。
妻のandroid端末に突然、
検索エンジンを変更しますか?
的な通知が来て、Googleを経由せずにBingにたどり着くことができたのです。それから結局、妻がBingでいろいろ調べてくれて、アンドロイド端末でもiOS端末でも設定から検索エンジンを変更できることを知りました。
もしも今あなたが中国で困りはてて百度で検索してこれを見ている場合、ぜひ上記の方法で切り抜けてください!良い旅を!
ライン代わりのメッセージアプリ―WeChat―
ライン(LINE)使えないと困りますよね、日本人としては。
ベタですが、WeChatというアプリを入れれば解決。
ただし、android端末の場合ここでまた注意。中国ではGoogle Play Store自体が使えないので、新規のアプリインストールが不可能です。中国国外にいる間にインストールしておきましょう。どのみち初期設定しなきゃいけないですし、連絡取りたい相手に自分のIDも知らせないといけないわけですから、渡航前に準備しておくのが無難です。
使い方はほとんどラインと一緒なので、困ることはないと思います。
ちなみに、中国人はWeChatペイというLine Pay(ラインペイ)的なQRコード決済をいたるところで利用しています。しかし、どうやらWeChatペイ登録には中国での銀行口座や中国での電話番号などが必要だという話。旅行するだけの日本人が利用するのはムリっぽいですね。
方法2: 香港SIMを使う
一番のオススメ。香港SIMを使うことで中国政府のネット制限を回避することができます。香港と中国の政治制度が別個だからですね。
2019年夏時点では香港SIMは中国国内(大陸)で利用可能でした。私がいたのは上海・杭州でしたが、他の都市でもおそらくイケるはず。
しかし2020年現在では、その政治制度の違いに関して中国と香港が大モメしています。そのため香港SIMが情勢によっては中国内使えなってしまうというリスクはたしかに抱えなければなりません。
とりあえず使えるままであることを前提としてお話すると、
香港SIMを使えば中国国内でもGoogleやラインが普段どおり使えます。
値段もそこまで高くないです(1週間~10日用で1,000円~1,500円前後)。
私の先日の中国旅行では、通話込みの香港SIMを利用しました。中国人の友人に会う予定を立てていたので、連絡用に通話が欲しくて(結局すべてWeChatで事足りたので通話は1秒もしませんでしたが)。
アマゾンで以下の商品を買いました。
ちゃんとSIM差し替え作業用のピン的なものも付いています。差し替えてデータ通信をオンにしたらすぐ使えるので簡単。
再び中国旅行に行くことがあったら、次も香港SIMを買うと思います。ちなみに、これは通話込10日間用なので1,500円ぐらい。通話無し1週間とかなら1,000円ちょいぐらいのもあります。
言うまでもないかもしれませんが、
- スマホのSIMフリー化
- スマホの周波バンド確認
は忘れずにしておきましょう!
SIMフリー化されていないスマホだと香港SIMを挿しても機能しないですし、スマホの対応周波バンドと中国で飛んでいる周波バンドが違っていると、スマホそのものが電波を受け取れないので意味がありません。
どのスマホがどの周波バンドに対応しているかという点についてはとくにややこしいので、よくわからなければ、スマホ契約会社に直接問い合わせるのが安心かもしれません。SIMフリーもよくわからなければ、合わせて問い合わせてしまえば安心です。
中国の周波バンドは、本格的に渡航準備を始めた段階でネット検索をして、最新の情報を手に入れるのが無難だと思います。
方法3: VPNを使う
この方法でも、Googleやラインを中国で使うことができます。
VPNはVirtual Private Network (バーチャルプライベートネットワーク)の略。これを使うと、中国にいながら中国でない国のサーバーからインターネットアクセスすることができるので、中国のネット規制の影響を受けなくて済みます。
しかしながら、中国のVPN規制は年を追うごとに厳しくなっているようなので、突然使えなくなる可能性があるのは注意。
昨年まで使えていたVPNが今年になって急に中国から規制されたって話はよく聞きます。そのため、VPNならなんでも良いというわけではないです。しっかりと使えるものを選ぶ必要があります。
私は普段からNord VPNというVPNサービスを利用しているので、例の中国旅行でも同じものを使いました。
2019年8月時点では、問題無く中国国内で使用できました。 しかしながら、パソコン用アプリの設定画面からObfuscated Serversという項目をオンにする必要があります。初期設定のままでは中国で使えません。
大事なことなのでもう一度言いますが、パソコンアプリからでないとこの設定はいじれません。面倒なことに、スマホではダメなんです(私はこれを知らずに渡航してしまい、日本にいた弟に協力してもらって無理やり設定を変更しました) 。
上から3つ目の項目ですね。
さらに、注意!「どんだけ注意することあんの?」って感じですが。
アンドロイド版NordVPNアプリではOKですが、iOS版はObfuscated Servers機能が利用不可(中国でないならiOS版アプリも十分に便利です)。
もちろんこんな優れた機能を持ってるこのNordVPNは、有料のVPNサービス。私は割引キャンペーンを使い、2年間10,000円ぐらいのプランに加入しています。しょっちゅう公式サイトで割引キャンペーンをしていますので、ドーナツ屋さんで100円の時にドーナツを買うように、しっかりとセールのタイミングを見ながら購入するとお得に買えます。
VPNというサービス自体は、ぜひみなさんに使っていただきたいですが、中国旅行での規制回避策としては香港SIMに劣るかなというのが正直なところ。
ちなみにこのNord VPNについては、レビュー記事を別に書いてありますので、興味あればご覧ください。
まとめ
一番のオススメは香港SIM
以上、中国ネット超不便問題に関する3つの対応をご紹介してみました。個人的なオススメ順は以下の通りです。
- 方法2: 香港SIMを使う
- 方法3: VPNを使う
- 方法1: 諦める
まぁ、普通にGoogleもラインも使えた方がラクです。方法1は中国慣れ、旅行慣れしていないとキツすぎます。
方法2の香港SIMと方法3のVPNを比べると、方法2の方が圧倒的に手軽かつ低コスト。たしかに無料で使えるVPNサービスもあるにはありますが、無料VPNはセキュリティ面でまったくオススメできません。
また、仮に中国当局が急に規制をかけてくるとしましょう。香港との政治関係が絡む香港SIMと、民間会社が提供しているVPN。実際に規制に踏み切るまでのスピードは、政治的手続きが必要な分、香港SIMの方が遅いはず?香港SIMの方が突然の規制に強いと予想します。
ただ、最近の様子だと中国と香港の仲が良くなる気配がぜんぜんありません。2020年7月現在では、ひょっとすると香港SIMも危ういのではと思える状況になってきました。けっきょく情報収集・別の対応策用意・最悪googleが使えない場合の心の準備を事前に済ませておく必要があります。
新たな情報が出てくればまたこのページを更新していきますが、2020年7月の段階では、まだ香港SIMを推しておきます。
スマホをSIMフリーにしよう!
いざ香港SIMを使おうとなったときには、スマホをSIMフリー化しておく必要があります。たしかに、ここには若干のめんどくささがあります。でも、中国以外も含めて今後も海外に出る可能性があるなら、どのみちスマホをSIMフリーにしておくべきだと思います。
海外に出ても、ただSIMを差し替えるだけ。たったこれだけで、日本でふだん使っているスマホを現地で使うことができます。
実際、現在アメリカ留学中の私は日本のドコモで買ったiPhoneをSIMフリーにして海外旅行者用SIMを使って生活しています。アメリカ用のスマホを改めて買い足してはいません。
利用中のスマホをSIMフリーにしても良いですし、海外用にSIMフリースマホを買うのもアリ。海外だとスマホが盗まれたり壊れたりする可能性が日本と比べて極めて高いです。保険をかける意味で、普段用とは別に海外用の機種を持っておくのも一つの考え方ですね。
以上です。
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