最近では日本でもトレジョ(トレーダージョーズ)のエコバッグがよく出回っていますよね。そろそろ「大人気」と言ってもいいぐらいかもしれないです。
とはいえ、その素材・形・デザインに様々なバリエーションがあるということはまだ意外と知られていない感じがします。なんとアメリカの州ごとのご当地モデルまであります、実は。
というわけでこのページでは、自分で入手できた範囲内ではありますが、トレジョエコバッグのご当地モデルを紹介していこうと思います。ご当地モデルではない全米共通モデルについては別ページを作ってみました。合わせてご覧いただければ嬉しいです。
ご当地トレジョ限定モデルとは?
先ほどリンクを貼っておいた別ページに書いたとおり、トレジョのエコバッグには様々なバリエーションがあります。
そしてその中のポリプロピレンエコバッグが、ご当地モデル展開のある商品です。
日本のご当地系グッズと同じで、原則としてアメリカの各州を訪れないとそれぞれのご当地モデルを買うことはできません。
しかしながら!!
実は年1回(11月頃)公式に販売される「ミステリーパック」というエコバッグの福袋的な商品があり、それを買うことで別地域のモデルを手に入れることが可能です。自販でいう「ミステリーゾーン」みたいな商品。
3枚のエコバッグがランダムに入って2.99ドル+税(約350~360円 )。
わーお。
私もちょっとだけ買ってみましたので、現時点で入手できたモデルをここにまとめておきます。
とはいえ、全部で何種類あるのかすらよくわかってないですし、今のところ別ページで紹介した全米共通モデルと、私の住んでいる北カリフォルニア地域のモデルを含めて10種類しか集められていません。もし「こんなの持ってるよ!」というのがあれば、このページに加えていきたいので、ご面倒ですがこのページのコメントフォームやSNS(インスタとツイッターにアカウント持っています)を通して声をかけてもらえたら嬉しいです!
では、ご当地モデルを少しずつご紹介!
カリフォルニア州北部限定
まずは私自身が暮らす(留学中です)カリフォルニア州モデル。カリフォルニア州モデルは北部バージョンと南部バージョンがあるらしく、私が持っているのは北カリフォルニアバージョンです。
最初に見ていく面は19世紀のゴールドラッシュがメインイメージ。
ゴールドラッシュは多くの西部劇が取り上げている出来事であり、また時代舞台でもありますね。あとは私の大好きなディズニーランドのウエスタンランド(ビッグサンダーマウンテンあるエリア)も、このゴールドラッシュを中心に据えた設定ですね!
- 帽子かぶっているひと → 金を掘り当ててる
- ロバ → ゴールドラッシュ時の移動にロバをよく使ったらしい
- ロバが言ってるeureka! → ギリシャ語で「私がそれを見つけた」・同州公式モットー
- 手前の車(別の側面に繋がってる)→ 馬なし馬車みたいな車
- いちご → 全米で同州が生産ダントツ
- 奥の建物 → たぶんサクラメントの同州庁舎
- スキー → スキーできるってね。たぶんレイクタホ(Lake Tahoe)
そしてこの面からつながっているのが以下の面。こちらはカリフォルニアワインを前面に押し出しています。
- ぶどう・コップ → カリフォルニアワイン
- GeyservilleとHealdsburgの標識 → 有名な2つのワイン産地
- Napaの標識 → さらに有名ナパワイン
- 128の標識 → ワイン産地を通る国道128号線
- 上の方の緑の鳥 → 同州シンボルのカンムリウズラ
- 下の方の茶の鳥 → え、にわとりだよね?風見鶏かな?
次は、もう一方の広い面。この面はゴールデンゲートブリッジを中心に、海と空も盛り込んだデザイン。
- 橋 → ゴールデンゲートブリッジ
- 橋の文字 → トニー・ベネットが歌って有名な曲『想い出のサンフランシスコ』
- かに → ダンジネスクラブがよく採れる。日本のカニの方が圧倒的に美味しい
- ぶどう → カリフォルニアワイン
- 翼つきのハート → ヒッピーかな?(Love & Peace的な。同州はヒッピーの聖地)
- ヨット・小型飛行機 → 同州の空と海?もしかしたら飛行機は同州開催の国際航空ショーの意味かも
そして、側面最後はこちら。ここではヒッピー・カウンターカルチャーがメインテーマ。
- 1967 Summer of Love → ヒッピー主導のカウンターカルチャーを象徴する社会現象
- 黄色く小さくプリントされた英語 → トレジョも1967に始まりました
- バス → 路面バス。サンフランシスコが有名
- AshburyとHaightの標識 → Haight-Ashburyという名前のカウンターカルチャー拠点で1967年Summer of Loveで人々が押し寄せた中心地
- 1500の標識 → 南に1500マイル船乘るとメキシコ?
- ひまわり → 同州と隣接するメキシコ最北端のバハ・カリフォルニア州に自生するカリフォルニアひまわり
- オレンジの花 → 同州シンボルのカリフォルニア・ポピー(ハナビシソウ)
ピーツコーヒーを紹介してみたページでもちょこっとだけ触れましたが、カリフォルニア州はヒッピー文化を始めとしたカウンターカルチャー運動の中心地です。さすがにヒッピーはもういないですが、反骨精神というか反権威な姿勢というか、多様性と自由を強く求める雰囲気は今でもカリフォルニアに息づいている印象です。実際に住んでいて肌で感じるところです。
最後に底面。この面はシンプルに桃(実と花)。底面に桃。
カリフォルニアの桃生産は全米の約半分のシェアを誇ります
さて、サイズですが、A4ファイルを当てるとこんな感じ。実際に手にとってみるとけっこう細長いです。
A4長辺よりだいぶ長いです
側面はこんな感じ。
A4短辺よりもさらに短いです
自慢ありすぎの北カリフォルニアモデル、以上です。
デラウェア州限定
次はデラウェア州。東海岸です。
この州のモデルはいくつかある同州のニックネームをふんだんに盛り込んだものになっています。
ちなみに、お馴染みのぶどう「デラウェア」はなんとこのデラウェア州ではなく、オハイオ州のデラウェアという街で命名されたことが由来らしいですよ。すっごくややこしい。
さて、最初に取り上げるデラウェア州のニックネームは「ザ・ファースト・ステイト」(The First State)。これはデラウェア州がアメリカ合衆国憲法を初めて批准したことにちなみます。同州による1787年12月7日の憲法批准を皮切りに、他の州もこれに続きました。それからやがて1788年に憲法が発効となり、現在のアメリカの法律の基盤が出来上がります。
この意味ではたしかに、デラウェア州は<単なる13州の組み合いではなく、まとまりある一国家としてのアメリカ合衆国>における最初の州だと言えますね。
そのプライドをどぎつく主張している面がこちらになります。
- 真ん中のFirst State → 同州ニックネーム (憲法批准最初の州として)
- 青い鳥 → 同州の鳥であるブルーヘン (青いメンドリ)
- 吹き出しのA Small Wonder → 同州ニックネーム (同州のアメリカ合衆国への貢献と同州の美しさにちなむらしい)
デラウェア州モデルは、上で紹介したカリフォルニア州モデルとは違って面が連続したデザインになっていません。4つの側面はすべて独立したデザインになっています。
下の写真の面は、同州とニュージャージー州との間にあるデラウェア湾をフィーチャー。
- カブトガニ→ デラウェア湾が世界最大のカブトガニ繁殖地
- 右上のthe Horseshoe CRAB → カブトガニの英語名「ホースシュークラブ」 (馬蹄形の甲羅を持つことに由来)
- 左上のDelaware OFFICIAL state marine animal → 「デラウェア州公式の海の生き物」つまりカブトガニ
- 真ん中白文字のSHORE → 「岸」つまりデラウェア湾岸
- 下のカニ → 同州でよく採れる「ブルークラブ」(柔らかい甲羅のワタリガニらしいよ)
お次は「とりあえずどデカくダイヤモンド描いとこ」の面。
デラウェア州は「ザ・ダイヤモンドステイト」(The Diamond State)というニックネームも持っています。これは、第三代アメリカ合衆国大統領のトマス・ジェファーソンが、東海岸の重要地点として同州をダイヤモンドと形容したという言い伝えにちなむようです。それもあってデラウェア州旗にはダイヤモンドがデザインされています(州旗の写真持っていないので、気になる方はググってみてね)。
- ダイヤモンド → 同州ニックネーム (由来は前述のとおり)
- ダイヤモンド横の茶色いTとJの筆記体 → トマス・ジェファーソン (Thomas Jefferson)のイニシャル
- ダイヤモンド左上の心霊写真みたいな顔 → きっとトマス・ジェファーソン
- 小鳥 → 同州は鳥の種類がめっちゃ多いらしい
そして最後に紹介する側面は「パンプキンチャッキング」(Pumpkin Chucking)と呼ばれるカボチャ投げイベントがテーマ。
この面に描かれているような、なんか面倒くさそうな装置をなんか上手いこと作って、なんか上手いこと投げて、どこまで遠く飛ばせるかを競うスポーツらしいです。デラウェア州だけでなくアメリカの他の地域でもやってるみたいですが、年一回の世界大会がデラウェア州開催らしいです。同州がパンプキンチャッキングの聖地ってことですね。
イッテQでロケ行きそう
最後は底面。おそらくですが、この面はデラウェア州唯一のトレーダージョーズ店舗番号。マニアック過ぎ笑。
13が何を指しているのか不明ですが、636は全米チェーンであるトレーダージョーズがデラウェア州の店舗に付けている番号です。もしかしたらトレーダージョーズが出店した13州目がデラウェア州だったのかも。あるいは、ここでも「ファーストステイト」を強調して、アメリカ独立時の13州を意味しているのでしょうか。どなたかご存知の方いらっしゃったら情報提供をお願いしたいです。
ちなみにですが、デラウェア州のモットーは「自由と独立」(Liberty and Independence)。私ゆとりばてぃの「りばてぃ」はこの「自由」を意味する「リバティ」(Liberty)に由来しています。あ、そうですか的な話。
どこもかしこも「由来」だらけのデラウェア州モデル、以上です。
ニューハンプシャー州限定
次はニューハンプシャー州。東海岸北部に位置してカナダとも接しています。アメリカの中で9番目に成立し、アメリカ合衆国憲法発効のための最後の1ピースとなった歴史的に意義ある役割を担った州でもあります。
でも、あんまり特色が豊富でないんですかね。言っちゃ悪いですが、エコバッグのデザインはシンプルで面白みに欠けます笑。
同州モデルのエコバッグは側面の4面すべてが連続しています。
最初に紹介する面は州の花パープルライラックの独壇場。和名は紫丁香花(ムラサキハシドイ)だそうです。
- 主張の強い紫の植物 → 州のシンボルであるパープルライラック (寒さに強くて長く花を咲かせる性質が、同州の忍耐強い人々の気質を象徴するとして制定)
- ちゃっかり葉に止まっているてんとう虫 → 州のシンボルの昆虫 (なんでだろね)
そして、このドヤ顔ライラックが連続して顔を出している面がこちら。
- ボソッと書いてある英語 → 『オールドニューハンプシャー』(Old New Hampshire)という同州州歌の一節(「ニューハンプシャーは偉大だね」って歌)
有名な話ですが、私の地元である長野県は「信濃の歌」という県歌を県民全員が歌えます。長い間、他の都道府県でもそういうもんだと思ってました。
さて、上の写真の左側にライラックとは違うタイプの葉っぱが微妙に顔をのぞかせてるんですけど、これが次にご紹介する面につながっています。
まさかのリンゴ
日本では、リンゴといえばニューハンプシャーというより、バーモントカレーで有名なお隣の州バーモント州ってイメージですね。おそらくアメリカでは、バーモント州だけでなく、このあたり一帯の州になんとなくリンゴイメージがあるのでしょうか。全体的に果樹園が多いエリアでリンゴ狩りが盛んなようですので、それに乗っかった形なのかも。自分の州ならではというよりも、ブロック一帯の特徴を使っちゃってるニューハンプシャー。
なお、リンゴの産出量で言うと、実はバーモント州ですらそれほどではなく、ワシントン州がアメリカ国内ダントツです。
そして側面最後はこちら。カナダに近いだけあって高品質のメープルシロップを生産している同州。それが下の写真の面でアピールされています。
- もみじ → 良いメープルシロップが同州の1つのウリ
- ボソッと書いてある英語 → もう一回『オールドニューハンプシャー』の一節 (ウチの自然は素晴らしいよって内容)
最後に底面。もはや州の特産品とか観光地ではなく、特産品を使ったメープルサンデーのレシピを載せてしまっています。これはやりましたね。しかもよく見てみると、メープルシロップはピーカンナッツよりも少ない分量しか使いません。言うまでもないですが、サンデーのメインはもちろん、バニラアイス。
というわけで、つまりは、
- 州の花パープルライラック
- 州の虫てんとう虫
- 州の歌『オールドニューハンプシャー』
- 州の特産品リンゴとメープル
という4点しか落とし込まれていないデザインでした。
ニューハンプシャー州に特色が少ないのか、それともこのモデルのデザイン担当が勉強不足なのか。どちらなのか定かではありませんが、他州のモデルと比べると見栄えそのものも含めて、やや寂しい印象ですね。
もしかしたら、パープルライラックに象徴される質実剛健な州民性を反映して、あえて「おカタい」デザインに仕上げたのかもしれないです。興味深いです。
コンサバスタイルのニューハンプシャー州モデル、以上です。
トレジョご当地エコバッグは
文化を知れて面白い
以上、トレーダージョーズのご当地モデルエコバッグを、ほんの少しだけですが紹介してみました。
このブログは日本語で書いていますので、住んでいる場所はどこであれ、読者のみなさんは日本人の方々がほとんどだと思います。私もその一人でして、アメリカで暮らしてはいるものの、自分のいる州以外の文化や歴史を見聞きする機会はあまり無いです。
そんななか、トレジョの各州モデルをワクワクしながらミステリーパックで集め、そのデザインの意味を調べていくうちに(すっっっっごく調査に時間かかります笑)間接的にアメリカの複数の州の文化にも触れることができています。
描かれているものそれ自体だけでなく、なにをどれぐらい主張したデザインにするかという全体のバランスにも各州の特徴が出ているはずですので、なかなか面白いです。
価格は大体1ドル(大体110円ぐらい)で安いですし、現地を訪れないと原則手に入らないものですので、ご旅行の際はぜひ1枚。お土産におすすめです。
今後にちょっとずつ他州モデルを付け足していきますが、シンボルの意味調査に多大な時間がかかるので、ほんとちょっとずつの予定です笑。少なくとも残り6デザインはあるので、引き続きの更新を楽しみにしてお待ちいただければ嬉しいです。
もしご当地モデルだけでなく全米共通モデルにもご興味おありの方は、以下の別ページもぜひご参照ください!
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